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AMED、「スマート治療室」実用化 1年前倒し 先行欧米企業を追随

7/7(金) 16:20配信

日刊工業新聞電子版

■信州大、18年から試験運用

 日本医療研究開発機構(AMED)は医療機器をネットワーク化して治療の質や効率を高める「スマート治療室」の実用化時期を、従来の2020年度から19年度に1年前倒しする。ネットワークへの接続性といった性能検証を18年度中に実施し、実用化にめどをつける。医療現場の安全性と業務効率化を追求し、併せて医療機器のネット化やIoTで先行する欧米企業を追随するのが狙い。

 現在、信州大学がネットワーク機能を備えたスマート治療室の設置を準備している。実際に医療機関での使用を前提とし、18年6―7月にも試験運用を始める予定。システム構築と並行してネットワークへの接続性や安全性、利便性などを検証する。

 スマート治療室はデンソーのFA(工場自動化)用ミドルウエア(基盤ソフト)を医療用に変更した「OPeLiNK(オペリンク)」を活用し、電気メスや磁気共鳴画像装置(MRI)、手術台など主要な医療機器をネットワークでつなぐシステム。医療機器メーカーなど十数社が参加し、実証試験を行っている。

 従来、個別に運用していた機器を同期してモニターに表示・記録し、患者のデータや画像などを医療従事者間で共有して医療現場の安全性や効率性を向上できる。現在、広島大学に簡易版システムが、東京女子医科大学には試作版システムが設置され運用している。

 医療機器のネットワーク化は欧米などで研究開発プロジェクトが進行中だ。日本も国際的な研究開発に乗り遅れないために、スマート治療室の早期の事業化が求められている。