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【ウルトラセブンを創った人たち】(17)ひし美「アンヌ」運命的誕生

7/7(金) 15:03配信

スポーツ報知

 友里アンヌを演じた菱見百合子(現・ひし美ゆり子)が当初、アンヌ役に決まっていた東宝の女優・豊浦美子の代役だった、というのは有名な話だ。豊浦は「ウルトラマン」から続いての出演となったフルハシ隊員役の石井伊吉(現・毒蝮三太夫)、アマギ隊員役・古谷敏とともに、早い段階で起用が固まっていた。が、映画出演が急きょ決まり、「セブン」を降板することになったのだ。

 代わりに抜てきされたのが、豊浦の東宝の1年後輩・ひし美だった。

 「会社から突然、『明日、円谷プロに行ってほしい』と電話があり、カメラテストとかオーディションがあるんだな、と思って行ったんです。この前、満田(★=かずほ)監督に会った時、『もうその段階でアンヌ役に決まっていた』と聞いてビックリ。つい最近まであれはオーディションだった、と思っていたんですから」

 この時、円谷プロの関係者から「こういう作品の続編を撮る」と「ウルトラマン」の映像を見せられた。初めて見る特撮ヒーローものだった。

 「(ウルトラマンが)放送されていた日曜日の夜は、父がNHKのニュースを見ていたから…印象? ボーッと見ていたので…でも、『(科特隊の)ああいうオレンジ色の隊員服を着たいなあ』とは思いました。私、顔が地味だったから、いつも『派手な色の服を着ないと』と思っていたんです。この時だって、オレンジ色の服で円谷プロに行ったんですよ」

 その服で円谷プロの庭にあった花畑に立たされ、スチール用の写真撮影を行っていると、重低音の排気音が響いてきた。ウルトラ警備隊専用車「ポインター号」がゆっくりと入ってきたのだ。

 「助手席から出てきたのがダンだった。『あれ、森次君。どうしたの?』って。彼とは『天下の青年』というドラマで共演していたんです。私はこの作品にレギュラー出演していたんですが、2クール(6か月)放送する予定が1クールで終わっちゃった。仕事が空いちゃったんですよ」

 当初の予定通り「天下の青年」が半年間の放送だったら、ひし美がアンヌになることはなかったのだ。=文中敬称略、★=のぎへんに斉

 ◆ひし美 ゆり子(ひしみ・ゆりこ) 1947年6月10日、東京・中野区生まれ。東宝俳優養成所を経て、66年にデビュー。同期には牧れい、若原啓子らがいる。「ウルトラセブン」出演後も数多くのテレビドラマ、映画に出演。2008年の映画「大決戦!超ウルトラ8兄弟」では、パラレルワールド(異世界)の設定だったが、モロボシ・ダンと夫婦になっているアンヌを演じた。

最終更新:7/7(金) 15:03
スポーツ報知