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パナ vs. ダイソンの争い 4万円の高級ドライヤーが売れまくる理由

7/7(金) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

店頭価格1万円以上の、いわゆる「高級ヘアドライヤー」が売れている。調査会社GfKジャパンの調べによると、2016年のヘアドライヤー市場における価格帯別数量構成比は1万円未満が2012年には約89%、1万円以上が約11%だったのに対し、2016年にはそれぞれ約78%、約22%と、高付加価値商品の比率がこの5年で2倍に上昇。

【画像】パナソニックが2016年9月に発売したヘアドライヤーのハイエンドモデル「ナノケア EH-NA98」。実売価格は約2万円だ。

ヘアケア市場全体はどうかというと、調査会社ユーロモニター・インターナショナルの調べによると、2012年から2016年にかけて国内におけるヘアケア家電製品全般の販売台数は約14%の伸長。しかも、カテゴリーにおけるヘアドライヤーの構成比もほぼ右肩上がりに増加しているのだ。

ユーロモニター・インターナショナルの シニアリサーチアナリスト山口大海氏は、高級ドライヤーに人気が集まる理由について、次のように分析する。

「ドライヤーの基本的機能である乾燥能力においては、各社ともに差異化を図りづらくなってきています。消費者側からはマイナスイオンなどの付加価値に対する期待が高い一方、各社とも似通った機能を押し出した製品を販売しており、メーカー間の競争は激化しています。

また、高価格帯ヘアドライヤーは中国人観光客などによる爆買いの波にもうまく乗ることができました。その背景には、中国SNS大手の『微博(Weibo)』などのクチコミが大きな影響を及ぼしたことが挙げられます」

ヘアドライヤー市場で特に人気が高いのが、イオン機能搭載のドライヤーを皮切りに高付加価値化を進めているパナソニックだ。2014年10月から2017年5月まで32カ月間連続で同社の「ナノケアシリーズ」最上位モデル(実売価格 約2万円)が家電量販店での販売数量シェア1位を獲得し続けている。5000円前後のモデルが中心となっている市場の中で、驚くべき売れ行きだ。

ドライヤーから発生するイオンが髪の毛の静電気を除去してサラサラにするだけでなく、キューティクルの引き締め効果や頭皮の保湿効果などをパナソニックは実証している。同社の広報は3年近くにわたって高いシェアを獲得し続けている要因について「2014年から始めた20代女性に向けたコミュニケーションの効果と、(訪日外国人の)アジアの女性にもナノケアが支持されたことだと考えています」と語る。

さらに最近注目を集めているのが、ダイソンが2016年4月に発売した「Dyson Supersonic」だ(2017年5月に第2世代モデルが発売、実売価格は4万5000円前後)。「音が静か」で「髪を傷めない」というのを売りにしており、その斬新なデザインとともに多くの消費者に受け入れられている。4万円を超える高額ドライヤーながら、ダイソンによると、現在金額シェアで2位を獲得している状況とのこと。

Dyson Supersonicが売れている理由について広報担当者は次のように語る。

「斬新なデザインに加えて、『独自開発のダイソンデジタルモーター搭載によるパワフルな風量が実現する速乾性』と、『モーターなどの主要パーツが手元に収まっているがゆえの高い操作性から、使用時の負担を軽減すること』の2つを、長時間使われるプロのサロンの方々から評価していただいています」

パナソニックとダイソンの売れ方には違いがある。パナソニックはメーカーに対する信頼感はもちろんのこと、「髪が潤う」「髪がまとまりやすくなる」「指通りがよくなる」「つやがアップする」といった”髪質改善効果”を実証しており、その安心感が購買につながっていると思われる。

一方のダイソンは、今のところパナソニックほどにはハッキリと実証にこだわった打ち出し方をしていない。ダイソンの売りである、大風量で「髪を素早く乾かせること」、風温を抑えて「髪を傷めないこと」に加えて、掃除機や扇風機などで培ったブランド力や、これまでにない斬新なデザインなども受け入れられている大きな要因だろう。

パナソニックは、ヘアドライヤーの第1号機を発売してから80年間にわたってヘアドライヤーを作り続け、日本人のスタイリングやファッション、美容意識について研究し続けてきた。彼らに一日の長があるのは確かだ。

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