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JFEスチール、ケミカルタンカー向け高耐食クラッド鋼板開発

7/7(金) 6:02配信

鉄鋼新聞

 JFEスチールは6日、ケミカルタンカーのカーゴタンク(船倉)向けに従来より耐食性に優れるステンレスクラッド鋼板を開発したと発表した。これまでクラッド鋼板に用いるのが難しかった二相ステンレスを張り合わせ、積荷の化学薬品に対する耐食性を向上。船倉の寿命を延ばせるため、ユーザーは維持・補修コストを低減できる。2017年度内の初受注を目指す。

 ケミカルタンカーの船倉材には積荷の液体薬品に対する高い耐食性が求められる。そのため、炭素鋼にステンレスを張り合わせたクラッド鋼板などが使われる。国内では現在、合わせ材に高耐食性ニッケル系ステンレス「SUS316L」を用いるのが主流。
 開発したのは「TMCP型SUS329J3Lステンレスクラッド鋼板」。合わせ材に二相ステンレス「SUS329J3L」を用いたのが特徴だ。「SUS316L」より孔状の腐食に耐える耐孔食性や、腐食が起因となって生じる割れを防ぐ耐応力腐食割れ性に優れており、船倉の寿命を延ばせる。
 ステンレスクラッド鋼板ではこれまで、合わせ材に二相ステンレスを用いるのは難しかった。圧延時の冷却工程で鋼組織に耐食性を劣化させる有害な析出物が生じやすいため。JFEは独自装置のスーパーオラックなどを用いるTMCP技術を駆使し、有害な析出物が出やすい温度領域を可能な限り避けて圧延。課題を克服した。
 JFEは開発材について16年12月に日本海事協会から製造法承認を取得し、受注活動を開始した。二相ステンレスクラッドで同承認を受けるのはJFEが初めて。JFEは同用途の国内市場が年2万5千~3万トン程度とみている。SUS316Lクラッドに加えて今回の開発材を市場投入し、より幅広いニーズを捕捉する。
 ステンレスクラッド鋼板は炭素鋼とステンレスのスラブを重ね、周囲を溶接して圧延する。JFEは西日本製鉄所福山地区(広島県福山市)の厚板ミルでクラッド鋼板を生産しており、今回の開発材の生産では合わせ材となる二相ステンレススラブは外部から調達する。

最終更新:7/7(金) 6:02
鉄鋼新聞