ここから本文です

災害後に寝たきりにならないために お年寄りが気をつけたい5つのポイント

7/7(金) 19:42配信

BuzzFeed Japan

記録的な豪雨で甚大な被害が出ている福岡・大分両県。避難所に身を寄せたり、外出がままならなくなったりして、日常生活が送れなくなった人も多いだろう。

その時に心配なのが、身体機能が衰えたお年寄りが、寝たきりや入院生活になってしまうことだ。BuzzFeed Newsは、災害リハビリテーションの専門家で、大阪医科大学リハビリテーション医学教室准教授の冨岡正雄さんに、高齢者が気をつけた方がいい5つのポイントを聞いた。【岩永直子 / BuzzFeed Japan】

1、元々リハビリを受けていた高齢者は専門家が支援

高齢者の中には、日常的にデイサービスやデイケア、訪問リハビリなどで歩く練習や立ち座りの練習をして、生活能力や足腰の身体能力を維持している人が少なくありません。それが災害でストップしてしまうと、すぐに能力は衰え、再び元の状態に回復するのが難しくなります。

それはいわば、普段、薬を飲んで体調を管理している生活習慣病の人が、飲めなくなって、血糖値が上がったり、血圧が上がったりするのと同じぐらい危険なことです。

3~5日程度ならまだ大丈夫だと思いますが、1週間も経つと、せっかくリハビリで低下しないように保ってきた身体能力は一気に崩れてしまいます。リハビリの専門医、理学療法士、作業療法士などが早めに支援に入る必要があります。

2、生活不活発病の予防

以前は廃用症候群と言いましたが、長い間、寝ていたり、動かなかったりすることで、筋肉が衰えたり、関節の動きが悪くなったりして体力が衰え、気がつけば寝たきりになってしまうということがよくあります。

精神的な落ち込みや、自分がどこにいて、いつ何をしているのかがわからなくなる見当識障害も引き起こし、認知症につながる可能性もあります。

普通に歩いて避難所に来ていたとしても、高齢者は2、3日寝てばかりいれば、生活不活発病になる可能性が出てきますので、身体を積極的に動かす工夫が必要です。その方法は次の項目で述べます。

3、エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)の予防

避難所などで、ずっと同じ姿勢で座ったり、寝ていたりを続けていると、ふくらはぎの静脈に血栓ができることがあります。これが深部静脈血栓症です。この血栓が血液の流れで移動し、心臓を通って肺動脈を詰まらせる「肺塞栓症」を引き起こすと、死に至ることさえあります。

これを防ぐために、運動する、ふくらはぎを締める弾性ストッキングをはいて血血液のうっ滞を防ぐ、水分をしっかり取り血液が固まりにくくすることなどが大事ですが、さらに重要なのは「自分でなるべく動くこと」です。これは、5つのポイント全ての対策に共通することです。

リハビリの専門家は、そのために、その人の心身の状態を評価し、自分で動きやすくするために生活環境を整える「環境調整」をします。

避難所で床に雑魚寝していると、足腰が悪い人は立ち上がりにくかったり、バリアフリーになっていないとトイレに行きにくかったりすると思います。トイレに頻繁に行きたくないので水分も控えるようになり、それが血栓をできやすくします。

熊本地震の支援で使ったスロープ。避難所となった体育館の入り口に地震でできた段差をなくし、車いすの人や足の悪いお年寄りも通りやすくした。

それに対し、高齢者には簡易に組み立てられる段ボールベッドや立ち上がりやすくする手すりなどの福祉用具を手配するとか、トイレの数を十分増やし、トイレまでの段差をなくすなどして、自分で動きやすいようにするのが「環境調整」です。

高齢者は、動かないから動けなくなります。これも数日以内にリハビリの専門家が現地入りして、現地の人の心身の状態を医学的に評価し、適切な環境調整をした方がいいと思います。

1/2ページ

最終更新:7/7(金) 19:42
BuzzFeed Japan