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資本フローのルールブック書き換える中国-流入促進も流出は抑制

7/7(金) 13:25配信

Bloomberg

1970年代にブレトンウッズ体制が崩壊し、世界の資本移動が自由になって以降、各国は自由に行き来する資金フローの影響を制限を加えずに抑えようと苦心してきた。

中国は事実上、資金フローに対する検問所を2カ所設けて対応しようとしている。国内居住者用と外国人投資家向けの2つだ。先進国が40年前に受け入れ始め、90年代後半のアジア通貨危機など新興国を揺るがす事態にもなった完全な資本勘定の自由化とは一線を画している。

中国の方針は3日に始まった香港との債券接続に最も明確に表れている。香港経由で中国の本土債購入を世界の投資家に認める一方、現時点では本土の人々が香港市場で債券を買うことを禁じた。

BNPパリバの大中華圏担当シニアエコノミスト、羅念慈氏(香港在勤)は、「中国は資本流入を促してきたが、資本流出は促していない。基本的にこれが中国の政策当局が望んでいる方向性だ」と指摘。このような「非対称の資本勘定の開放」は前例がないと話す。

経済の活力損なう

こうしたアプローチで効果がまず期待できるのは、90年代のメキシコやタイなどで、そして2000年代のブラジルで起きたような突然の資本流出を避けられることだ。あまり明確ではないのは、これで外国人投資家が安心して中国の経済的重要性に見合ったポートフォリオ投資を手掛けられるかだ。着実な資金流入なしでは人民元に対する下落圧力は残る可能性がある。

野村ホールディングスの中国担当チーフエコノミスト、趙揚氏(香港在勤)は、昨年始まった中国の新たな資本フロー戦略は今後数年続くとの見方を示す。「中国はホットマネーを求めていない」という。

本土に資金を投じた外国人投資家は、問題なく資金を引き揚げることができると中国は強調しているが、資本規制を受けて二の足を踏む向きもある。数年前、エコノミストらは5年間で海外から最大1兆ドル(約113兆7000億円)の資金が中国の債券市場に流れ込むと予想していたが、そうした見通しは後退を余儀なくされている。

中国人民銀行(中央銀行)で金融政策担当者として12年間勤務し、現在は華融証券のチーフエコノミストを務める伍戈氏(北京在勤)は、最終的には中国が双方向の資本自由化を採用しなければならないと指摘。「中国はすでに中所得国であり、国内の居住者や企業には保有資産を世界的に分散する強いインセンティブがあることから、長い目で見ればこうした規制は中国経済の長期成長や活力を損なうことになる」と述べた。

原題:China Rewrites Rulebook on Capital Flows After Crisis Lessons(抜粋)

Chris Anstey, Xiaoqing Pi

最終更新:7/7(金) 13:25
Bloomberg