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約6割が知らない 老後資金を作る「リバースモーゲージ」という方法

7/8(土) 16:40配信

ZUU online

一般社団法人全国住宅産業協会の調査によると「リバースモーゲージ」のことを知らない人の割合は62.8%であった。アメリカではメジャーなこの制度であるが、日本ではまだまだ認知度が低い。そこで、今回は「リバースモーゲージ」について紹介したい。

■リバースモーゲージとは

リバースモーゲージ(Reverse mortgage)とは、自宅を担保にして、そこに住み続けながら金融機関から融資を受けられる制度である。モーゲージというのは、抵当付きの住宅ローンを意味し、最初にお金を借りて毎月返済してローン残高が減少していくものである。これに対し、リバースモーゲージはその逆で毎月お金を借りてローン残高が増えていき、最後に全額返済する。一般のローンの逆なので「逆」を意味する「リバース」が付いている。公的年金だけで現金収入が少ない高齢者世帯が、住居を手放すことなく一定の収入を確保できるのが魅力だ。

通常のローンは現金で返済することが前提になっているが、リバースモーゲージは死亡後に自宅を売却あるいは抵当権を実行して返済に充てる。そのため、住宅ローンの場合、借りる人の返済能力が審査されるが、リバースモーゲージは、借りる人の返済能力は問われず、担保となる不動産の価値が審査の対象になる。ただ、返済能力が問われない分、不動産価値は厳格に審査され、不動産の売却で十分返済できる額しか融資は受けられない。

リバースモーゲージは、アメリカでは非常に一般的であるのに対し、日本ではなぜ普及していないかというと、日本人は新しいものが好きで、古い家屋の価値が低く評価されているからだ。また、日本人は生まれ育った家に愛着を持ち、子供に家を残したいという意識が強いため、最終的に不動産を売却して精算するリバースモーゲージの導入が少ないのだ。

他方、アメリカは、中古の建物の価値は日本に比べ高く、また、住居も環境の変化に応じて転々と変える文化なので、リバースモーゲージを利用して、そのお金で優雅な老後を過ごそうと考える人が多い。

■リバースモーゲージのメリット

リバースモーゲージのメリットとしては次のようなものがある。

・自宅に住み続けられる
お金が必要な場合に、自宅を売却してお金を作ることも可能だが、その場合賃貸物件等を探して済まなくてはならない。それに対して、リバースモーゲージは住み慣れた自宅に住んだままお金を受け取れる。

・返済能力がなくても融資が受けられる
高齢者で収入がない場合、融資は基本的に受けられない。しかし、リバースモーゲージは、不動産があれば返済能力がなくても融資を受けられる。

・基本的に返済不要
融資を受けた場合、通常は返済が必要になるが、リバースモーゲージの場合、不動産を売却して精算することになるので返済が不要である。

・相続人に借金が残らない
リバースモーゲージの借入金は、担保物件で精算されるので、相続人に借金が残らない。近年、空き家問題があるように不動産の管理は手間がかかることから、不動産の処分を任せられるというのもメリットである。

■リバースモーゲージのデメリット

他方、デメリットとしては次のようなものがある。

・長生きするリスク
契約終了期間が死亡時となっていない場合、長生きすると融資枠を使い切ってしまう可能性がある。そうなると、自宅を売却して返済しなければならなくなるので住むところがなくなる。

・金利上昇リスク
金利は基本的に変動金利の場合が多く、将来金利が上昇すると返済額が膨らむ可能性がある。万が一、不動産価格を上回ると融資がストップされる。

・不動価格の下落リスク
自宅の評価が下落して融資限度額を割り込んでしまうと、場合によっては一括返済を求められることもある。ただ、担保価格の下落リスクをあらかじめ考慮して、担保物件の評価額の半分程度しか融資しないので実際には余程のことがない限り担保割れすることはない。

・対象となる住宅に制限がある
評価の低い不動産は対象にならない。基本的に一戸建てで、マンションは対象外のところが多い。

・推定相続人全員の同意が必要
契約者が死亡した後のトラブルを防止するため、推定相続人全員の同意が必要で、1人でも相続人が反対した場合には利用できない。

・単身もしくは夫婦だけで居住していないと利用できない
本人と配偶者以外の人が居住している場合には、その人の居住権を奪うことになるので、リバースモーゲージを利用できない。

高齢化を背景に近年、リバースモーゲージに参入する金融機関も増えている。最近では、静岡銀行が東京スター銀行と提携したとのニュースがあった。両行で共同開発した商品は、煩雑な手続を解消し、ローン用カードをつくってATMで引き出せるなど利便性を高めた点が特徴という。競争が増え商品の内容も充実してくると、今度はどれを選べば良いかが問題になる。商品の内容や条件は金融機関によって異なるため、メリットとデメリットを踏まえ、場合によってはFPなどの専門家に相談するなどして選択するとよいだろう。(ZUU online編集部)

最終更新:7/8(土) 16:40
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