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<製茶条例廃止方針>背景に「食」の法整備 「着香」解釈に懸念

7/8(土) 8:40配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 静岡県が7日までに製茶指導取締条例の廃止方針を決めた背景には、食の安全・安心への消費者の意識の高まりを受けて食品衛生法や食品表示法の整備が進んだことがある。県によると、廃止しても、茶工場の清潔維持は食品衛生法で管理され、立ち入り検査も同法に基づいて実施される。

 「着味・着色」についても、使用した添加物の表示が食品表示法で義務付けられている。実際、県外で製造販売されている茶には添加物の表示がされている。

 県条例によらなくても、添加物の規制と表示義務は食品衛生法と食品表示法で規定されていることを、県は条例廃止の理由に挙げる。

 銘茶産地であり、同時に全国一の茶問屋街がある静岡市の田辺信宏市長は静岡新聞社の取材に「静岡茶の信頼、ブランドを確立するために県条例を定め、官民一体となって取り組んできた。一方、時代が求めるお茶づくりをしていくために規制緩和も求められる」と回答し、条例の改廃について言及しなかった。

 県茶業会議所は昨年、条例の廃止ではなく改正を県に要望した。着味・着色の禁止規定は残し、フレーバー茶など「着香」は知事の許可手続きを緩和してほしいという内容。これに対し県は、着味・着色と着香の境界が曖昧で、業界の都合に合わせた恣意的な規定になってしまうと懸念したという。

 既に県は廃止方針を県茶業会議所や県茶商工業協同組合、JA静岡経済連に説明。県幹部は「目立った異論は出なかった」と話す。

 県茶業会議所会頭に先頃就任した上川陽子氏は7日、静岡新聞社の取材に「条例は施行から約60年たつ。今の時代に合わせてどうすることが適切か、県や議会でしっかり議論してほしい。新しい条例をつくるほどの動きを期待したい」と述べた。

静岡新聞社