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土煙上げ「山が動いた」=ふるさと、土砂がのみ込む―大分・日田

7/8(土) 14:29配信

時事通信

 九州北部を襲った記録的な豪雨は、普段静かな集落を一変させた。

 大分県日田市の山間部にある小野地区では、大規模な土砂崩れが発生。家屋をのみ込み、川をせき止め、地元の消防団員の命を奪った。「異様な地響きとともに山が動いた」。ヘリコプターで救助された住民が、当時の恐怖を語った。

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 ドドドドドド…。雨が小降りになった6日午前10時半ごろ、避難していた公民館から、外の様子を確認するため県道に出た石井幹夫さん(67)は、これまで聞いたことのない地響きを耳にした。思わず音がした方向を振り返ると、数十メートル先の山の斜面が滑り始め、「山が動いて見えた」。

 崩落は一瞬で横に広がり、辺りは舞い上がる土煙に包まれた。土砂が落ちてきた場所には、直前にすれ違った知り合いの消防団員山本岳人さん(43)がいるはずだった。

 「気を付けてと声を掛けたばかりだった。何が起きたのか理解できなかった。まさかこんなことになるなんて」。石井さんは声を詰まらせた。

 集落の高台に住む美野恵さん(51)は、土砂崩れに気付いて慌てて家の外に飛び出した。「また来るぞ」。背後から土砂が迫り石が飛び散る中、叫びながら逃げ惑う人たちの声が忘れられない。

 美野さんは6日午後、ヘリで集落を離れた。上空から大きくえぐれた山肌が見えた。「住み慣れたふるさとがなくなってしまった。何と言っていいのか分からない。これからどうなるんだろう」と、ぼうぜんと語った。 

最終更新:7/8(土) 17:37
時事通信