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主要国の金利上昇続く 金融引き締め観測が背景 株価には逆風も

7/8(土) 7:55配信

産経新聞

 主要国の金利が上昇している。すでに利上げ局面にある米国に続き、ユーロ圏や英国なども金融緩和の出口を模索する兆しが出ているためで、長期化する大規模緩和で金利を低く抑えている日本でも上昇圧力がかかり、日銀は7日に指し値オペを実施。金利上昇は銀行など金融機関の収益に追い風となる半面、株価には逆風となる恐れもある。

 主要国の金利上昇のきっかけは、6月27日に欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が「すべての兆候は、ユーロ圏の景気回復の強まりと広がりを示している。デフレ圧力は(物価が上昇に向かう)リフレに変わった」と述べたことだ。

 緩和縮小に前向きな発言との受け止めから、欧州各国の金利が急上昇。翌28日には英イングランド銀行(中央銀行)のカーニー総裁が「金融刺激策の一部の引き揚げが必要になる公算がある」と語り、欧州発の金利上昇に弾みがついた。

 6日には6月のECB理事会の議事要旨が公表されたが、追加の金融緩和を示唆する表現の削除が議論されていたことが判明。これを受け、早期の緩和縮小観測が一段と強まり、ユーロ圏の長期金利の指標となるドイツの10年債利回りは6日に0・5%を大きく上回り、約1年半ぶりの高水準をつけた。

 この流れは、今年に入ってからすでに2回の追加利上げを行っている米国に波及。米長期金利は6日に一時2・39%付近まで上昇し、5月11日以来の高水準をつけた。

 岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、欧米で金融政策が引き締め方向になってきているとして「主要国の金利に上昇圧力がかかりやすい状況が続くのではないか」とみる。

 日銀は、長期金利を0%程度に誘導する政策を続けている。最近の国内の債券市場では日銀の出方を試そうとする国債売りが先行したが、7日には“伝家の宝刀”の指し値オペと通常の国債買い入れ増額という合わせ技で、金利抑制姿勢を明確にした。これを受けて長期金利は低下し、市場の落ち着きに効果を発揮したが、日銀はすでに大量の国債を保有している。市場に出回る国債の量が少なくなる中、今後も金利をうまく調整できるかは不透明だ。

 世界的な金利上昇は、銀行など金融機関の利ざや改善を誘う半面、利息負担の増加で企業業績にマイナスになるなどして、各国の株価の逆風となりかねない。

 6日の欧米市場では金利上昇が株安の一因となり、米ダウ工業株30種平均は終値で前日比150ドル超下落。7日の東京市場でも日経平均株価は続落した。一方、同日のニューヨーク外国為替市場の円相場は、米国の今後の追加利上げによる日米の金利差拡大が意識されて円安が進み、一時1ドル=114円台をつけた。

 三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「金利が上昇する中で、景気回復を確認できるような経済指標が出てこなければ、金利が上がるだけになってしまうため、株価にとっては大きな重しになる」と話した。(森田晶宏)

最終更新:7/8(土) 8:18
産経新聞