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米露首脳、シリア部分停戦を協力の糸口に アサド政権めぐるしこりも

7/8(土) 11:25配信

産経新聞

 【ワシントン=加納宏幸】トランプ米大統領がロシアのプーチン大統領とシリア南西部での停戦で合意したのは、ウクライナ問題や米大統領干渉疑惑で衝突してきた2大核保有国が決定的な対立を回避するため協力の糸口を探った結果だ。米側はシリアでロシアとの協力を拡大し、6年以上続く内戦の全面的な終結につなげたい意向だが、シリアのアサド大統領の処遇をめぐって決定的な隔たりが残っている。

 ティラーソン米国務長官は7日、米露首脳会談後の記者会見で、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)掃討後をにらみ、米露が「シリア国民の将来を保証する政治プロセスに向けた協力」を続けることができると述べた。

 その上で、ティラーソン氏は仮にシリアで内戦を終結させて安定化への政治プロセスが成功したとしても、「国際社会がアサド政権の指導するシリアを受け入れることはない」と指摘。アサド体制に長期の役割はないとしつつも、「どう退陣に導くかは決まっていない」と認めた。

 IS掃討のためアサド政権に対抗する反体制派を支援してきた米国は、ロシアがアサド政権を支えて介入することを事実上黙認してきたが、トランプ氏は4月、化学兵器攻撃を行ったとしてアサド政権軍への攻撃を実施。アサド政権を容認しない姿勢に転じた。

 米国務省高官はシリア全土での停戦合意が極めて困難なため、数カ月前にロシアやヨルダンとの間で南西部の停戦協議を始めたと明らかにした。ロシアと米国がそれぞれ影響を持つアサド政権軍と反体制派が主に戦闘する地域で「管理しやすい」(同高官)ためだ。

 だが、アサド政権には停戦を無視してきた過去がある。ロシア軍が停戦監視に当たるとの報道もあり、米露協力の象徴となる南西部の停戦合意にどれだけの実効性があるかは不透明だ。

最終更新:7/8(土) 11:25
産経新聞