ここから本文です

「全ては“たけしメモ”から始まった」 元祖フリップ芸人、ビートたけしがもたらした功績と進化

7/8(土) 6:01配信

AbemaTIMES

 お笑いには漫才、コント、モノマネ、一発ギャグ、音ネタ、リズムネタなど様々なジャンルがあるが、その中に「フリップ芸」というものがある。これはフリップに字を書いたり、絵を描いたりしてネタをやるスタイルで、1985年~1996年に放送された『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)内でのコーナー「たけしメモ」が元祖フリップ芸と言われている。

 「たけしメモ」では毎週「こんな◯◯は嫌だ」などとフリップに書かれたものを、ビートたけしがスピーディーに紹介し、笑いを獲得していた。この「たけしメモ」の功績は大きく、今でもマネをする芸人は存在する。

 「たけしメモ」のように、テーマに沿って答えをフリップに書いて発表していくスタイルでは、フリップに書かれた答えに対して自分でツッコミを入れ、さらに笑いを生み出していく。

 しかし、このスタイルは数多くの芸人が実践したため、次に売れたいと考える芸人が生み出したものは字ではなく、“絵”を使うスタイルであった。

 これも同様に1つのテーマに対していくつも答えを発表していくものではあるが、その答えが絵であるため、より表現の幅が広がった。これを得意とするのが、「鉄拳」や「いつもここから」だ。彼らの絵は独特の味を持ちながら他人が真似できない上手さがあり、フリップの絵がそのまま本になったこともあった。特に鉄拳はその後、パラパラ漫画家としてもデビュー。感動的な動画が国内外問わず、人々を虜にした。

 絵を得意とする芸人は、1つのテーマで答えを発表していくフリップ芸から発展させて、紙芝居形式のフリップ芸を確立させた。これが分かりやすく、子供にもウケやすい傾向がある。お笑いコンビCOWCOWの善しは、ピンのときはフリップ芸とリズムを融合させた芸を得意とし、『R-1ぐらんぷり』(フジテレビ系)の決勝に何度も出場している。

 バカリズムはピン芸人として売れているが、昔は「バカリズム」というコンビであった。そのコンビを解散して、ピンとして売れるきっかけとなったのがフリップ芸の「トツギーノ」である。バカリズムの絵の上手さと「トツギーノ」というリズムがクセになり、CMにまで抜擢された。バカリズムのフリップ芸は、どの芸人のフリップ芸ともスタイルが異なり、バカリズム独自の世界観を作り出している。

 フリップ芸は答えがフリップに書いてあり、一見すると簡単のように思われるが、この中にもしっかりとフリやオチがあるため、芸人は答える順番、構成を綿密に考える。筆者の知り合いの芸人は「フリップ芸を始めたときあまりウケなかったが、同じネタでもフリップの順番を変えただけでウケるようになった」と話す。

 また、絵が上手くなかったとしても、下手さを売りにして「フリップ芸がウケるようになった」という芸人も存在する。最近ではフリップに仕掛けがあり、飛び出す絵本のようなフリップ芸を得意とする芸人も出てきた。陣内智則の映像を使ったネタはフリップ芸の動画版と見てもいいだろう。

 フリップ芸は絵の上手さ以上に、ワードセンスが問われるジャンルである。言い方、言葉のチョイスによってネタが大幅に変わってくる。

 ピン芸人にとってフリップは相方のような存在だ。「たけしメモ」からかなりの進化を遂げてきたフリップ芸。これからも見たことがないような、フリップ芸人の登場に期待したい。

最終更新:7/8(土) 6:01
AbemaTIMES