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「ティーカップ犬」人気に動物愛護団体が警鐘、急増する健康問題

7/8(土) 10:00配信

The Telegraph

【記者:Helena Horton】
 今人気急上昇中の犬といえば、米タレントのパリス・ヒルトン(Paris Hilton)さんも飼っている「ティーカップ犬」と呼ばれる超小型犬だ。確かに愛くるしい見た目ではあるが、その人気の高まりとともに骨軟骨異形成症(いわゆる低身長症)をはじめとする成長障害や病気が急増していると、多くの動物愛護団体が警鐘を鳴らしている。

 ティーカップ犬は特に韓国や米国で人気がある。しかし、犬の健康を損なうまでの小型化を進めていた複数のブリーダーが英国でも確認されており、犬はもとより飼い主にも苦悩をもたらしている。

 ロンドン大学(University of London)王立獣医カレッジ(RVC)のロウェナ・パッカー(Rowena Packer)研究員も、体が小さいがゆえに健康や行動面で多くの問題が生じていると指摘。膝蓋骨(しつがいこつ)脱臼や気管虚脱、脊髄空洞症などさまざまな異常や障害に見舞われる確率が高い上、骨がもろいため普通に跳んだり遊んだりするだけでけがをすることもあると説明した。

 王立動物虐待防止協会(RSPCA)とケネルクラブ(Kennel Club)、王立獣医カレッジは、愛犬家らに対してティーカップ犬を購入しないよう声をそろえる。

 また、RSPCAによると、ティーカップ犬が保護されるケースも増加しているとされ、飼い主らには繁殖させないよう助言しているという。

 ティーカップ犬は、ブリーダーが特に小さい犬同士を繰り返し交配させ生まれる。そのサイズは不自然なまでに極小で、ケネルクラブはその健康問題などを理由にこれらの犬を認知していない。

 RSPCAは、大量繁殖の規制をはじめ、犬の繁殖・販売関連法の厳格化を要求している。

 英国内でも、購入して間もないティーカップ犬が病気になったり死んだりするケースは少なくない。ウェールズ(Wales)在住の男性は2014年、妻へのクリスマスプレゼントとしてティーカップポメラニアンを購入した。犬は翌日に体調を崩し、獣医師が数日にわたって治療を試みたが容体は改善せず、最終的には安楽死させられたという。

 ブリーダーのジェイミー・パービジ(Jamie Parvizi)被告は、病気のティーカップ犬を繁殖させたとしてウォリントン(Warrington)刑事法院で有罪判決を受け、2年9月の禁錮刑に処された。

 同年、バービジ被告から650ドル(現レートで約9万5000円)で犬を購入したという同じくウェールズ在住の別の女性も、飼い始めてから数日後に犬の様子が急変し、動物病院で集中治療を受けさせる必要に迫られた。これまでに負担した治療費は総額7000ポンド(約100万円)に上っているが、幸い保険が適用されたという。

 女性は、「わたしの犬は何とか生き延びてくれた。ああいうひどい業者から犬を購入した人のなかでは、自分は幸運な方だと言い聞かせている。中には運に見放された人もいるのだから」とコメントしている。【翻訳編集】AFPBB News

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最終更新:7/8(土) 10:00
The Telegraph