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RAMI、メロディが物語を作る歌声 自身の世界観を遺憾なく発揮/レポート

7/8(土) 14:19配信

MusicVoice

 歌手のRAMIはガールズメタルバンド界に旋風を巻き起こしたバンド、Aldious(アルディアス)のボーカリストとしてデビュー、美しい容姿と独特の声質でその頭角を現していたが、2ndアルバム『Determination』をリリース後に、自身が抱えていた持病より体調が悪化、戦線離脱を余儀なくされていた。

 しかし、その後復調とともに、SADS/カイキゲッショクなどの活動で知られるギタリスト、K-A-ZらとのプロジェクトRaglaia(ラグライア)をスタート。彼女の復活を信じていたメタルファンから大きな反響を浴びた。

 そして2016年には完全なソロとしての活動も開始し、同年9月にはソロアルバム『Aspiration』をリリースと、以後唯一無二のボーカリストとしてのステータスを決定づける活動を活発化しつつある。

 そのRAMIが5月14日に、東京・代官山unitで、ソロライブツアー『RAMI “Aspiration Tour 2017”』のファイナルをおこなった。

 今回のツアーは、昨年のアルバムリリースに伴い開催された、ツアーの第二弾としておこなわれたもので、終始熱気に包まれた会場の盛り上がりは、今後の彼女の行方を示しているようでもあった。

■美しくも勇ましい姿

 スタート時間を少し過ぎたころ、会場のSEはオーケストレーションサウンドを盛り込んだ「Overture To Aspiration」で、暗転した会場に壮大なスケール感を醸し出していた。やがてサポートメンバーの入場に続きRAMIがステージセンターに到着すると、フロアからは大きな歓迎の歓声がいくつも上がった。まさに待ちわびた瞬間。観衆も、そしてRAMI自身もその表情に微笑みを称え、この瞬間の到来を心から喜んでいた。

 ステージは、アルバム未収録のナンバー「Death Lay」でスタートした。SEのブレイクから、疾走するドラムのリズムに合わせて、ギターが叫び声を上げるように掻き鳴らされる。暴虐で無機質とも思えるそのサウンドの中、絶対的な存在感を持ったRAMIの声が響く。その様はまるで灰色の荒野の風景に、そこだけに鮮やかな色が見えてくる様にも感じられた。ライブステージに立つ喜びを表すかのように、笑顔を絶やさなかった彼女の表情の影響もあってか、その美しく、反面鋭く響く声は観衆に強く訴えかけ、それに応えて観衆はまた一生大きな歓声を上げる。

 前半はRaglaiaの「Promises」「Forlorn?」に、昨年リリースされたRAMIのソロアルバム『Aspiration』からの選曲を織り交ぜたセット構成で進められた。この流れを見ると、彼女がRaglaia、そしてソロとして活動していく上で目指すサウンドの趣向的な方向性が見えてくるようだ。様式的で重厚なメタルサウンドをベースに、シンフォニックなメロディラインをポイントとして置き、時にはオペラ歌手のように抒情的な歌を聴かせ、そしてサビの最も遡及的な部分で、彼女の真骨頂ともいえる、突き抜けるようなハイトーンボイスを炸裂させる。そのダイナミックレンジの広さも、彼女の魅力といえるポイントだ。

■声自体にストーリー

 そして後半は『Aspiration』からの曲を中心にするも、収録曲であるがカバー曲の「恋しさと せつなさと 心強さと」、Aldiousの「紫苑」、さらにはダンサブルな雰囲気のある新曲「After History」と、ぐっと趣を変えたセットが披露される。加えて讃美歌を彷彿させる「Pray To The Sky」など、楽曲にもその表現力にもスケールの広さを感じさせる。自身の思いを言葉にし、それをメロディに乗せて…というのが楽曲作りの常套的な形ではあるが、RAMIの歌う歌には、その声自体にストーリーが感じられる。言葉はそれを補うためのものであり、サウンドの広がりが広ければ広いほどに、そのスケール感、世界観はそのまま大きく広がってゆく。

 いよいよ迎えたクライマックス。観衆はみなRAMIの声に酔いしれ、彼女のステージを楽しんでいた。そんな観衆の表情に対して「こんなにたくさんの笑顔と向き合う時間が過ごせて、本当に嬉しかったです。ありがとう!」と心からの礼を告げるRAMI。ラストナンバーは、『Aspiration』のオープニングナンバーである「In My Eyes」。激しく打ち鳴らされるビートに観衆、そしてRAMIも気持ちが昂る。ライブのエンディングにこの楽曲を持ってきた意図にも、おそらく今後の活動へつなげる大きな思いがあったに違いない。

 続いたアンコールには、日本のヘヴィメタル界の重鎮・LOUDNESSの「IN THE MIRROR」という意表を突いた選曲。さらにAldiousの「Eversince」と、いずれもRAMIの突き抜けるようなハイトーンボイスが存分に発揮されるキラーなナンバーが続く。まさにコアなメタルファンを喜ばせようとする、RAMIの心憎いまでの気配りだ。そして「Rainwater」で、RAMIは遂に訪れたライブのエンディングを締めくくった。昨年のソロアルバムリリースに続き、現在はセカンドアルバム制作中というRAMI。そのボーカリストとしての存在感は今、注目せざるを得なくなるほどの光を放ち続けている。

(取材=桂 伸也)

最終更新:7/8(土) 14:19
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