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保護犬に見つけた亡き愛犬の面影 預かりボランティアで、離れがたく

7/8(土) 11:50配信

sippo

 東京都内に住むYuhaさんと保護団体のミグノンとの出会いは、16歳まで生きた愛犬のシーズーとの別れがきっかけだった。

【写真特集】シーズーミックスのさじ

「犬の16歳は、長生きで大往生だったのですが、やはり失った悲しみは大きくて。いわゆるペットロスですよね。ただ、すぐに新しい子を迎える気にもなれず、でも、犬には触れていたい。それでインターネットで知ったミグノンでボランティアをすることにしたんです」とYuhaさんは振り返る。

 一般社団法人「ランコントレ・ミグノン」は、常時ボランティアを募集している。シェルターにいる犬猫の世話、一時預かりボランティアなどだ。Yuhaさんは、現在の北参道に移転する前の中野のシェルターに2013年から通い、ボランティアとして保護犬・保護猫たちの世話をしていた。そこで出会ったのが、オスのシーズーミックス「さじ」だった。

「小型犬だし、人懐っこいし、すぐに飼いたいという人が見つかりそうですが、『さじ』は動物愛護センターに長くいたようです。『さじ』という名前は、ミグノン代表の友森さんがセンターから引き取った当初につけた名前です。センターからミグノンに来たときは、すごく痩せていて、あばらが透けて見えそうでした。『さじ』はミックス犬ですが、前に飼っていたシーズーの面影と重なり、なんとなく気になる存在でした」

 Yuhaさんは、ミグノンに通って世話をするだけでなく、「さじ」を自宅で預かる「預かりさん」になることにした。

「預かった保護犬の新たな家族をみつけるため、預かりボランティアの手元からも月に2度行われているミグノンの譲渡会に出席させます。最初に譲渡会に出した時は、『さじ』と暮らしてくれる家族が見つかるといいな、と思っていましたが、2度目以降は『さじ』に家族が見つからないことに、ホッとしている自分がいて。うちで一緒に暮らそうと決めたんです」

 人が好きな『さじ』だったが、家族に迎えて最初のうちは「のびのびしていいんだよ」と言っても、うずくまって寝たり「きついまなざしで人を観察しているようだった」。全くほえず、あまりに声を出すことがなかったため「この子は声帯を取られているんじゃないか」と疑ったほどだった。だが、最近では徐々に思ったこと(不満や要求)を声に出したり、甘えてキュンキュンいうこともあるという。

「人がそばにいないとすごくさみしがって、最初は留守番も全くできませんでした。留守番をさせると、前脚を血が出るまでかんでしまったり、部屋中のいろんなところにオシッコをしていたり。少しずつ、もう一人ぼっちにはさせられない、必ず帰ってくる、ということが理解できたようで、最近は4~5時間ならいい子で待っていてくれます。出かける前の、置いていかないで、のアピールはすごいですが……」

 散歩の時も、ちゃんとYuhaさんが一緒にいるかどうかを振り返り振り返り、確かめるように歩く。

「分離不安は残っているようですが、5~6歳という成犬で私たちと家族になったにもかかわらず、日々成長しますし、甘え方が増してくるのも可愛くて仕方がありません。夫が自己流で『さじ』にマッサージをするので、スキンシップもより好きになったようです」

 いまの『さじ』の家族は、決して置いていったり、さみしい思いをさせたりすることはない。目いっぱい甘えさせてくれる家族と一緒に、幸せなおじさん犬ライフを満喫してもらいたい。

sippo(朝日新聞社)

最終更新:7/8(土) 11:50
sippo