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『ルパン三世』新作第2弾は、石川五ェ門の剣技が冴える!・1

7/8(土) 12:10配信

Stereo Sound ONLINE

オーディオビジュアル方面で活躍中、アニメが大好きなライター鳥居一豊さんが、Stereo Sound ONLINEで連載する「アニメノヲト」。ここでは『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』のその1をお届けする。(Stereo Sound ONLINE編集部)

<完全版>『ルパン三世』新作第2弾は、石川五ェ門の剣技が冴える!



『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』
BD-ROM(トムス・エンタテインメント/KADOKAWA、KAXA-7461)
・2017年日本・2017年発売・本編約53分
・カラー(16:9)
・リニアPCM2.0ch



 今回紹介するのは、劇場公開されたルパン三世の最新作。前作である『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』の続編で、監督・演出・キャラクター/メカニックデザイン・作画監督の小池健をはじめとするスタッフも続投している。1960年代後半の日本を舞台とした設定で、TVアニメーションの第1シリーズとストーリーを共有している。ルパンたちと石川五ェ門は、面識はあるがまだ仲間にはなっていない時期の物語だ。

 本作の特徴は原作のテイストを濃厚に再現した大人向けの作りで、映像を含めてなかなかにハードな内容になっているところだ。こうした傾向は小池健がキャラクターデザイン/作画監督として参加したTVアニメ「LUPIN the Third -峰不二子という女-」(2012)が源流と言える。ファンの年齢層が高い作品だけに、こうした異色のスピンオフシリーズも大いにアリだ。

 本作でもダットサン・フェアレディやトヨタ スポーツ800が登場するなど、当時の車やバイクがリアルに描写されている。登場するメカや銃器の設定がリアルなのは、1971年にスタートしたTVアニメ第1シリーズからの伝統だ。

 そして、ジェイムス下地が担当する音楽はブルースをベースとしたもので、軽快なジャズを起用したオリジナルシリーズから、雰囲気も一層渋くなっている。


■爆発音や射撃音は、身体にずっしりと響くような重低音だ

 音声はステレオだが、いぶし銀の音楽だけなく音響もなかなか力が入っている。最初の聴きどころは、ヤクザが運営する船上カジノで、ルパンたちを追う暗殺者が船の機関部をオノで豪快に破壊する場面。ヤクザの用心棒として雇われた石川五ェ門は、その男と対峙することになる(CH.2:8分04秒)。

 鋼鉄の機関部をオノで切り裂くときの音や爆発音、ヤクザたちの拳銃の射撃音はなかなかの迫力で、身体にずっしりと響くような重々しい音になっている。これに対し、石川五ェ門の振るう刀は鋭いキレ味を思わせる繊細な音。この対比が見事だ。

 爆発炎上する船を舞台に戦いが始まるが、暗殺者のターゲットであるルパンたちが逃亡したことで、戦いにも幕が下りる。戦いを盛り上げる音楽はリズムを重厚にきかせたブルースだが、盛り上がってくるに従って尺八のメロディーが加わり、クライマックスでは和太鼓を思わせるダイナミックなドラミングとなる。さりげなく、しかし象徴的に和風のテイストを加味してくる音楽の仕掛けにニヤリとさせられる。

(その2:鳥居的・最大の見どころは……!?へつづく)

【鳥居一豊(Kazutoyo Torii)】
雑誌の編集を経てフリーランスとなる。AVはもとより、PCオーディオやヘッドホン、また各種ガジェットの造詣も深く、さまざまな分野で執筆している。自らが設計から携わった自慢のシアター空間「架空劇場」は、ドルビーアトモスやDTS:X再生にも対応する「6.2.4」構成。最高の映像と音を求め、日々進化し続けている。大のアニメ好きでもあり、深夜アニメのエアチェックは怠らない。

Stereo Sound ONLINE / 鳥居一豊

最終更新:7/8(土) 12:10
Stereo Sound ONLINE