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重工大手が航空機エンジンの修理・整備事業を拡大するワケ

7/8(土) 15:37配信

ニュースイッチ

国産開発へノウハウ蓄積

 航空機エンジン部品を手がける重工メーカー各社が、エンジンの修理・整備(MRO)事業を相次いで拡大する。IHIは2017年度から、欧エアバスの小型旅客機「A320ネオ」用エンジン「PW1100G―JM」のMROを瑞穂工場(東京都瑞穂町)で始める。川崎重工業は24年度にも、同エンジンで民間機エンジン向けMROに本格参入する。エンジンの分解・組み立てを手がけるMRO事業。各社は利益貢献に加え、国産民間機エンジン開発に向けたノウハウを蓄積する機会として位置付ける。

 PW1100G―JMが搭載されるA320ネオは、整備機能を保有しない格安航空会社(LCC)も採用しており、大きな整備需要が見込まれる。MROを手がけられる台数は、エンジン開発への参画比率で決まる。日本勢は23%のシェアで参画しており、ピーク時の割当台数は年100台規模になるとみられる。

 IHIは瑞穂工場の既存建屋にPW1100G―JM向けのMRO設備を整備する。17年度は数十台のMROを手がける計画だ。

 同エンジンは出荷が急拡大し、20年に800台(16年は約200台)以上を計画。整備台数の飛躍的な伸びが予想される。IHIは一定規模の整備台数が確保できた時点で、MROの新工場を建設する方針だ。

 川重は防衛省向けにMRO事業を実施していたが、PW1100G―JM向けで民間機エンジンのMRO事業に参入する。21年度から整備士のトレーニングなど、事業展開に向けた準備に乗り出す。明石工場(兵庫県明石市)を軸に、MRO工場の新設も検討する。

 一方、三菱重工航空エンジン(愛知県小牧市)は、エアバスの「A320シリーズ」などに搭載される「V2500」エンジンのMROを16年7月から開始。現在まで月2台で実施し、17年度下期から同3台に引き上げる。同社もPW1100G―JM向けMROの権利を持つが、実施は未定という。

最終更新:7/8(土) 15:48
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