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【ウルトラセブンを創った人たち】(18)満田監督と早出のレッスン

7/8(土) 15:00配信

スポーツ報知

 モロボシ・ダンとアンヌの淡い恋模様をシナリオに織り込むことが企画段階で確認されていた、というのは、今回の連載でも書いてきた。ひし美ゆり子(当時・菱見百合子)はアンヌを演じる上で、どう意識していたのだろうか。

 「自分としては普通に演じていただけ。ただ、満田★(かずほ)監督がメガホンを執る時は、撮影所に他の人よりも1時間くらい早く呼ばれて、いろいろ指導を受けましたね。『ここはこういう気持ちを込めてやって』『ここは母親が子供を諭すように話してみて』とか…ファンの方が出来上がった作品を見て、アンヌのダンに対する恋愛感情みたいなものを感じているのなら、そういうふうに撮ってくれた監督、スタッフの方のおかげかな」

 そんなひし美に、満田が「大変、重要な役になる」と前もって説明していた回があった。第49話「史上最大の侵略 後編」(脚本・金城哲夫)―そう、約11か月間にわたって放送されてきた「ウルトラセブン」の最終回だ。

 地球侵略を狙う宇宙人との戦いが続き、肉体が限界を迎えたダン。ゴース星人と、その先兵たる怪獣・改造パンドンとの最後の戦いに臨む直前、アンヌに自らの正体を明かす―。

 アンヌ、僕は…僕はね、人間じゃないんだよ。M78星雲から来たウルトラセブンなんだ

 シューマンのピアノ協奏曲イ短調が流れ、場面が暗転。アンヌとダンがきらめく光の中、シルエットで浮かび上がる…まさに、クライマックスのシーンだ。

 「セブンが自分の正体を明かすのは、キリヤマ隊長でもウルトラ警備隊のほかの隊員でもない。アンヌなんです。『ノンマルトの使者』(第42話)のあたりで、僕が最終回のメガホンを執ることが分かったから、アンヌには話しておいたんです。『重要な役になるよ』と」(満田)。

 満田が意識して描いてきた淡い恋模様の帰結があのシーンだった。そして、ダンは次のように言い残して、アンヌの前を去っていく。

 西の空に明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙へ飛んで行く。それが僕なんだよ…さよなら、アンヌ!=文中敬称略、★=のぎへんに斉

 ◆思い出の「人間牧場」

 ひし美が思い出に残っているエピソードとして挙げたのは、第22話「人間牧場」だ。ドラマ冒頭、友人の誕生パーティーに出席したアンヌ。この時に着た白いミニのワンピースがかわいく、忘れられないそうだ。「スパンコールみたいにキラキラ光ってね…すごくかわいかった。この時のスチール写真が、本当にきれいに撮れているんです。この回は本編(ドラマ部分)も特撮班が撮った作品ですが、大好きですね」

最終更新:7/8(土) 15:00
スポーツ報知