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<九州豪雨>「土砂ダム」決壊の恐れ 日田・小野地区

7/9(日) 0:20配信

毎日新聞

 大分県日田市小野地区で発生した大規模な土砂崩れで川がせき止められ「土砂ダム」ができている問題で、国立研究開発法人「土木研究所」(茨城県つくば市)は8日、土砂災害の専門チームを派遣しドローンなどを使い調査した。土砂崩れは縦約300メートル、横約200メートルに及び、大量の土砂が崩落していたと発表した。地盤は多量の水分を含んでおり、再び土砂崩れが起きる危険性が高く監視が必要との見解を示した。

 同研究所の藤平大上席研究員によると、土砂崩れはまず、山腹下部の表層が崩落。連動して上部が複数回滑り落ちた可能性があるという。落石が続き、特にわき水がある部分は今後も崩落の危険性がある。藤平上席研究員は「映像監視などで斜面のさらに上部や周辺の崩落に警戒が必要だ」と指摘した。

 大分県などによると、土砂ダムの水位はピーク時より2メートルほど下がっているが、雨が続いており決壊の懸念はぬぐえない。原田啓介・日田市長は「梅雨明けまで、あと2週間ほどは現地の避難指示を解除するのは難しい。機器を使った定点観測を検討したい」と述べた。

 地元住民は不安を募らせている。土砂ダムから約900メートル下流の自宅から避難所に移った吹春(ふきはる)和子さん(75)は「避難はいつまで続くのか。土砂ダムにどんな対策をするのか早く情報がほしい」。別の避難所に身を寄せる高瀬恵美子さん(62)も「(決壊は)とっても怖い。避難所で暮らすお年寄りはつらそうで、決壊の可能性が低いとされたらみんな帰りたくなるが、本当に安全かは分からない」と困惑した様子だった。

 奈良、和歌山両県で多数の「土砂ダム」が発生した2011年9月の紀伊半島豪雨では、国土交通省が排水路を設けたり、ポンプで水をくみ出したりする対策を取った。崩れた土砂を利用し、重機を遠隔操作してダムを埋める工事も実施した。【近松仁太郎、田畠広景、比嘉洋、土田暁彦、川上珠実】

最終更新:7/9(日) 0:32
毎日新聞