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TPP早期発効に交渉加速 12日から箱根で首席交渉官会合

7/10(月) 8:15配信

SankeiBiz

 米国離脱後の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加11カ国による首席交渉官会合が12~14日、神奈川県の箱根で開かれ、早期発効に向けた具体的な選択肢の検討に入る。中国がアジア太平洋地域で覇権主義的な動きを強める中、TPPで合意した自由で公正な貿易・投資ルールの重要性は高まっている。日本は欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)が大枠合意した余勢を駆って、交渉を加速したい考えだ。

 「日本がリーダーシップを発揮し早期発効に向け、議論を主導していきたい」。安倍晋三首相は6日、ベルギー・ブリュッセルでの日欧定期首脳協議後の記者会見でこう述べ、箱根での会合に強い期待感を示した。

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 ■改定は最低限、関税分野変更せず

 TPP参加11カ国は5月にベトナムのハノイで開いた閣僚会合で、協定発効に向けた検討を11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までに終えることで合意した。日本が議長国を務める箱根の会合はそのキックオフとなる。

 11カ国協議では、米国が翻意した場合に再び合流しやすいよう、米国を含む12カ国で作った現行の協定文はいったん凍結、米国抜きでは成立しない発効要件などを修正した合意文書を新たに作る形式をとる。

 各国の足並みを乱さないため合意内容の改定は最低限にする方針で、特に関税分野は変更しない。ただベトナムやマレーシアといった米国抜きの発効に慎重な国々から理解を得るため、医薬品のデータ保護期間など、米国の強い意向で盛り込んだ項目は一部変更する方向で調整する。

 中国が現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を打ち出して存在感を強める中、日本が目指す日米主導の貿易秩序の構築は、トランプ米政権のTPP離脱で暗礁に乗り上げた。

 TPPが瓦解すれば5年超の交渉で合意したレベルの高い貿易・投資ルールが水泡に帰す。代わりに中国主導の透明性が低い貿易秩序が地域の“標準”になる恐れがあり、日本企業にも悪影響が出かねない。

 日欧EPAの大枠合意で巨大自由貿易協定の機運が再び盛り上がりつつある。11カ国が結束を固め、短期間で新たなTPP合意をまとめられるかが、アジア太平洋地域の方向性を左右しそうだ。

最終更新:7/10(月) 8:15
SankeiBiz