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フィリピンに「イスラム国」なぜ? 中心人物の「マウテ兄弟」とは何者? 中東から「飛び火」の理由

7/10(月) 7:00配信

withnews

 フィリピンで軍と「イスラム国」(IS)が戦っています。ISと言えば、単発のテロはヨーロッパなどでも起こしてきましたが、拠点とするのは中東。イラクとシリアに広い「領土」を持っていましたが、最近では奪い返されつつあります。遠く離れたフィリピンで、何が起きているのでしょうか。(朝日新聞記者・神田大介)

【画像】「5億円の懸賞金」ポスター、ドラム缶にISの黒い旗 フィリピン軍とイスラム国の戦闘現場

直接的なつながり、なし

 この戦闘はフィリピン南部にあるミンダナオ島の都市の一つ、マラウィで5月23日に始まりました。市街地の一部をイスラム過激派が占拠し、これまでに市民44人を含む400人以上が死亡。30万人以上が避難生活を送っているほか、多数の住民が人質にされています。

 フィリピン軍と戦っているのは、「マウテグループ」という武装組織。約2年前に結成したという新興勢力で、ミンダナオ島を中心に戦闘を繰り返してきました。ISの黒い旗を掲げているのがたびたび目撃されています。

 中心メンバーのマウテ兄弟は、ともにシリアとアラブ首長国連邦への渡航歴があるほか、1人はエジプト、1人はヨルダンを訪れた経歴があると報じられています。

 とは言え、マウテ兄弟がISの支配地で戦闘に参加したとか、訓練を受けたといった記録はありません。直接的なつながりはないようです。

アルカイダとも関係、あり

 ミンダナオ島には、マウテグループよりも前からISを名乗る武装集団がいます。アブサヤフといいます。マウテグループはこのアブサヤフとつながりがあり、影響を受けたと言われています。

 アブサヤフは1991年の結成。もともとは国際テロ組織として知られるアルカイダから、資金などの援助を受けていました。アルカイダは2001年9月11日、ニューヨークの貿易センタービルを破壊したアメリカの同時多発テロを行ったグループです。

 そのため、米軍がフィリピン軍と協力して掃討作戦を繰り広げ、壊滅寸前まで弱体化しました。

 すると2014年、ISが「国家」の樹立を宣言した直後に、ISへの忠誠を誓う動画を自らネットに掲載。ISのフィリピン支部を名乗り始めました。

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最終更新:7/10(月) 19:32
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