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稀勢の里、休場明けVで「角聖」並ぶ “同郷”常陸山に「近づきたい」

7/9(日) 6:03配信

スポーツ報知

 大相撲名古屋場所は9日に愛知県体育館で初日を迎える。左上腕部などの故障から復活を期す横綱・稀勢の里(31)=田子ノ浦=が、4横綱時代では年6場所制となった1958年以降4人しかいない休場明け優勝を目指す。同じ茨城出身の第19代横綱・常陸山も優勝制度が始まる1909年以前の1904年1月場所で達成。場所前に「角聖」と呼ばれた先輩横綱の像の前で土俵入りし、復活Vで故郷の先人と肩を並べる。

 復活に向け、稀勢の里は静かに闘志を燃やした。8日は会場の愛知県体育館で恒例の土俵祭りに参加。初日が迫った緊張感の中「(状態は)いいと思う。後はやってみるだけ」。春場所優勝の代償となった左上腕部などの故障に苦しめられたが、今場所前は稽古を休む日も設けながら体を仕上げてきた。「しっかり初日に向けてやってきた。自信を持ってやるだけです」。やり残したことはない。

 休場明けVで完全復活を高らかに宣言する。6月には茨城・水戸市にある常陸山の像の前で奉納土俵入り。同市内にある墓にも足を運びパワーをもらった。常陸山は明治後期から大正にかけ活躍。1世紀以上前、相撲に武士道を取り入れ国技の礎を築き「角聖」と呼ばれた。20世紀初頭の4横綱時代には休場明け優勝も成し遂げた先輩の前で「少しでも近づけるように努力したい」と誓いを立てた。

 58年の年6場所制以降では、4横綱時代での休場明けVを果たした横綱は白鵬(宮城野)ら4人(通算5回)だけ。2か月に1度の本場所で傷を癒やし、強敵ひしめく番付の中で賜杯を勝ち取るのは簡単ではない。初日の相手は進境著しい新関脇・御嶽海(24)=出羽海=。過去5戦全勝中だが「1日1日が大事になってくる。しっかり集中して」と慢心はない。

 強い横綱の姿を見せることが使命だ。九州北部の豪雨被害に話が及ぶと「自分たちは相撲しかできないですから。少しでも協力できることがあればしていきたい」と神妙な面持ち。古来より横綱の土俵入りには「大地を踏んで地の邪気を払い鎮め正気を招き寄せる」という意味合いもある。15日間務めあげ、勇気と希望を届ける。(秦 雄太郎)

最終更新:7/9(日) 7:55
スポーツ報知