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【福岡】真颯館・高木、豪雨被害故郷へ6回逆転通算27号

7/10(月) 8:04配信

スポーツ報知

◆全国高校野球選手権福岡大会 ▽2回戦 宗像1―10真颯館=8回コールド=(9日・北九州市民)

 頑張れ朝倉弾だ! 福岡・真颯館(しんそうかん)の今秋ドラフト候補で、九州豪雨で特に激しい被害に見舞われた朝倉市出身の高木渉左翼手(3年)が、初戦の宗像戦で逆転2ランを放ち、コールド発進に貢献。「少しでも朝倉の人たちが元気づけられるようにプレーしたい」と今夏の快進撃を誓った。西東京では、昨夏に逆一本足打法で注目を集めた和光の室橋達人遊撃手(3年)が、無安打でコールド負け。野球に別れを告げ、新たな道での飛躍を目指す。

 愛するふるさとへの思いが、打球に乗り移った。1点を追う6回2死二塁。高木が放ったライナー性の打球は、グングン伸びて、中堅左のフェンスを越えた。高校通算27号の逆転2ランだ。「審判が腕を回しているのを見て、初めてわかりました。完璧ではなかったけど、打球が伸びてくれた」。5回まで1安打に抑えられていた宗像のサブマリンを沈め、コールド勝ちへと導いた。

 何としても打ちたかった。九州豪雨の発生から5日目。今は北九州市内の寮に暮らすが、生まれ育った朝倉市が、大きな被害に見舞われた。「自分たちが活躍して、少しでも朝倉の人たちに元気になってもらえれば、と思って必死にやりました」。実家や家族は無事だったものの、日々のニュースなどで惨状を目にしていた。

 この日も雨の中、自衛隊や消防などが、行方不明者の捜索や孤立住民らの救出・支援活動を行った。犠牲者は日ごとに増え、朝倉市、東峰村、大分・日田市で、合わせて18人に。依然30人近くの行方や安否が不明で、福岡で約30人、大分で約220人の計約250人が孤立している。

 中学時代に汗を流した河川敷のグラウンドも、ベンチなどと共に流された。自身が中学時代にも同じ経験がある。「石拾いから始めて、土を入れ替えて、一からグラウンドを作り直して…。3、4か月は練習できなかった」

 9点リードの8回には2番手で今季初登板し、1回無失点で試合を締めた。最速146キロの速球派右腕としても注目を集めていたが、昨秋に右肩を痛めて野手に専念していた。憧れは日本ハムの大谷。「逆方向にもホームランを打てて、投げても打たれない。憧れの存在。自分も目指したい」。故郷に吉報を届けるため、最後の夏は「二刀流復活」でフル回転する。(青柳 明)

 ◆高木 渉(たかぎ・わたる)1999年12月6日、福岡・朝倉市生まれ。17歳。福田小3年でソフトボール、南陵中では球道ベースボールクラブに所属。真颯館では、1年春から一塁のレギュラー。2年春からエースとなり、昨夏は「4番・エース」で4強入り。181センチ、75キロ。右投左打。家族は両親と兄2人。

 ◆真颯館(しんそうかん)福岡・北九州市にある男女共学の私立校。1936年に設立された九州工学校が前身。1953年に九州工、99年には真颯館に校名変更。甲子園は70、94年夏に出場し、ともに初戦敗退。主なOBに山本和生(元巨人)、桑野議(元阪神)、武居邦生(元国士舘大監督、現DeNAスカウト)ら。

最終更新:7/10(月) 9:23
スポーツ報知