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金融庁は金融機関に顧客本位を求めるより消費者教育を

7/9(日) 21:35配信

投信1

金融庁が金融事業者に対し、顧客本位の業務運営を指導

金融庁は本年3月、「顧客本位の業務運営に関する原則」を発表し、金融事業者(金融商品の販売、助言、商品開発、資産管理、運用等を行う全ての金融機関等)が顧客本位の業務運営に当たるべきだ、としています。ポイントは「顧客の最善の利益の追求」です。

一見すると素晴らしい理想を述べているようですが、筆者は「余計なお世話」だと感じています。自動車販売店を所管する監督官庁が同様の指導を行なっているという話は聞いたことが無いからです(笑)。本稿では、投資信託を販売している金融機関と自動車販売店を比較しながら考えていきます。

もしかすると、問題の本質は、監督官庁の性格にあるのかも知れません。普通の官庁は、所管する業界が健全に発展していくことを目指すものですが、金融庁の前身が金融監督庁であり、金融庁の官僚は金融業界の発展より金融業界の抑圧に力点があるのかもしれません。自身は「処分庁から育成庁に転換する」と言っているようですが、悪い冗談にしか聞こえません(笑)。

顧客本位をうたう事業者は本当に顧客本位か?

顧客本位をうたう事業者は多いですが、本当に顧客の利益を自己の利益より優先している事業者は皆無でしょう。ボランティア活動を行なっている慈善団体は別として、普通の会社がそんなことをしたら、倒産してしまうからです。

「お客様のために値下げしました」という広告は、「ライバルから顧客を奪って我が社の利益を増やすために値下げしました」という意味なのですが、イメージ戦略として顧客本位を前面に打ち出しているだけです。

自動車販売店が「お客様にピッタリの最新式モデルが発売になりました。買い替えられてはいかがでしょう?」というのは、「貴方がいつまでも古い車に乗っていると、我が社の売上が増えないから、そろそろ新車を買ってください」という意味です。

投信の販売手数料は高すぎるか?

投信の販売手数料は高すぎるでしょうか?  自分で運用するわけでもなく、右の商品を左の顧客に売るだけで3%程度が受け取れて、しかも「年会費」の約半分が受け取れるのであれば、美味しい商売だと言えるでしょうが、「高すぎる」か否かは評価が難しいでしょう。

一般に、手数料が高すぎるならば、ライバル企業が安売り競争を仕掛けてくるはずです。投信の販売が独占企業によって行なわれているわけでもないので、顧客は手数料の安い店で買えば良いのです。

自動車販売会社が自動車の値段を高く設定したからといって、監督官庁に文句を言われることはないでしょう。あるとすれば、顧客に逃げられて損をすることくらいです。投信は、販売手数料が明示されているだけ、自動車よりマシです。自動車販売会社が仕入れ値を公表しているとも思われませんから(笑)。

系列運用会社の商品ばかり販売しているのも、当然です。自動車販売会社だって同じでしょう。利益率の高い商品を顧客に勧めるのも、頻繁に買い替えを勧めるのも、当然です。自動車販売会社だって同じでしょう。

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最終更新:7/9(日) 21:35
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