ここから本文です

幻の戦闘機「震電」模型が終戦番組に 福岡のテレビ局特集

7/9(日) 6:01配信

北海道新聞

余市の坂本さん製作 「設計者の思い知って」

 【余市】町内栄町の店舗デザイナー坂本仁さん(68)が製作した旧日本海軍の戦闘機「震電(しんでん)」の実物大模型が8月、福岡県のテレビ局が放送する終戦記念特集で取り上げられる。太平洋戦争末期に開発され、実戦での飛行はなく幻の戦闘機と呼ばれている。設計者らを描く再現ドラマも盛り込まれ、7月に余市町内で撮影を行う。坂本さんは「特攻で若者を死なせないために開発された航空機。設計者の思いを知ってほしい」と話す。(竹内博)

【動画】ホリエモン、大樹ロケットの模型初公開

 終戦記念特集は福岡放送(日本テレビ系)の情報番組「めんたいワイド」内で終戦の8月15日に放送予定。震電が福岡県の航空機会社「九州飛行機」で開発されたことから企画され、設計者や航空機会社の技術者らの苦悩などを再現ドラマとして描く。余市での撮影は7月下旬の予定で、震電の試験飛行の様子を余市農道離着陸場で、戦時中の風景をニッカ北海道工場や旧下ヨイチ運上家でロケする。

 震電は主翼の前方に前翼、機体後部にエンジン、プロペラを配置したエンテ型航空機。高高度を飛ぶ爆撃機B―29迎撃の切り札として期待されたが、試験飛行を行っただけで終戦を迎えた。

実物大全長9メートル

 坂本さんが木材や車のタイヤなどを使い製作した実物大模型は高さ3・5メートル、全長9メートル、両翼11メートル。昨年7~11月に余市宇宙記念館で公開され、旅客機開発のエンジニアや航空機の整備士など多くの航空機関係者が足を運んだ。

 震電の模型は巨大なため、坂本さん方の倉庫に胴体や翼などに3分割され収納されている。撮影に備え操縦席周辺の作り込みを行うなど、坂本さんは準備に余念がない。設計者の鶴野正敬は海軍技術将校とテストパイロットを兼任した人物だけに「防弾や脱出装置など、当時としては操縦者の命を大切にした設計」と坂本さん。「エンテ型という最先端技術とともに、設計思想も知ってもらえたら」と放送を待ち望んでいる。

北海道新聞

最終更新:7/9(日) 6:01
北海道新聞