ここから本文です

内閣府出先拠点 高評価も常設は未知数 八戸への試験設置終了

7/9(日) 10:37配信

デーリー東北新聞社

 内閣府が八戸市に設置したサテライトオフィス(出先拠点)の実証試験が6月末に終了した。約2週間の短期間だったが、事務所を視察した地方創生担当大臣や国の幹部は、市が連携中枢都市圏に取り組んでいることや高速交通網が発達していることを挙げ、出先拠点としての潜在力を高く評価した。一方、来年度以降、事務所の常設など本格設置が実現するかは未知数。内閣府は今回の試行が圏域にどのようなインパクトを与えたのか検証する方針で、地方創生推進交付金の積極的な活用など市町村の意識改革が試されそうだ。

 ■全国で2カ所

 出先拠点の試行は、政府関係機関の地方移転の一環で、全国で八戸市と高知県安田町が選ばれた。内閣府は人口減少や雇用情勢が厳しく、地方創生交付金の活用が少ない東西の代表的な場所を選んだと説明する。

 ただ、地元関係者によると市が選ばれた背景には、連携中枢都市圏の取り組みなどを通じて市が得た中央とのパイプや人脈などさまざまな“後押し”があったとみられる。

 国の出先機関が地元に来ると、具合的にどのようなメリットがあるのか。「交付金の使い勝手について国に直接要望できるほか、申請の際、きめ細やかな指導を受けられる」と語るのは市の大志民諭政策推進課長。実施主体が内閣府であることも挙げ「省庁は縦割りだが、内閣府は横断的組織なので幅広い視点から意見を聞くことができる」と利点を強調する。

 ■地域間格差

 「皆さまにはやる気を出していただきたい。意欲のある地域には情報、人材、財政面を全力で支援する」

 6月28日に市内で行われた山本幸三地方創生担当相と八戸圏域の首長との意見交換会で、山本氏が出席者を鼓舞する場面があった。

 今回、八戸市を試行場所に選んだ理由の一つに、圏域の地方創生交付金の活用の少なさがある。地方分権が進む中、国の制度や財源を有効活用する自治体とそうでない自治体で住民サービスに差が出始めている。

 前日に内閣府が青森市で開いた県内40市町村向けの説明会では、その傾向が顕著に表れた。終了後、すぐに帰る担当者もいれば、交付金の申請方法や地方分権制度について熱心に質問する担当者も。八戸圏域からは4市町が個別相談に参加。早速、出先拠点設置による意識の変化が垣間見えた。

 ■地の利

 地元の関係者からは来年度以降の本格設置へ期待が高まっている。

 一方、実際に勤務した職員に“八戸”はどう映ったのか。内閣官房の高野伸参事官補佐は「霞が関にいるのと違い、地域職員と直接対話して熱意を感じることができた。食べ物もおいしく、夜の街が活気があって仕事のオン、オフ共に充実した」と好感を持った様子。別の職員は「高速道路もあり、交通面で不便を感じることはなかった。駅前で事務所の立地も良かった」と振り返った。

 ただ、仮に八戸に出先拠点が設置された場合、国の機関として広範囲をどうカバーするかや、本庁との差別化をどのように図るかなど課題も多い。小林眞市長は「事務所が機能したことは理解していただけたと思う」と総括し、今後、予算の概算要求など国の動向を注意深く見守る構えだ。

デーリー東北新聞社