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南猛攻、4年ぶり白星 高校野球神奈川大会第1日

7/9(日) 6:30配信

カナロコ by 神奈川新聞

逆境力に大舞台躍動
◆南9-1高浜
 最高の舞台で、最高のプレーを出せた。

 6-1の六回1死一塁。3番伊藤慎が高めの直球を振り抜くと、打球は右翼へ。野手がもたつく間に一気に本塁へ激走、2点を追加した。記録は三塁打だったが、「集中を切らさず振れて良かった」。七回コールドで初戦をものにした。

 4年ぶりに夏の勝利を手にした南ナイン。「練習試合では打てずに負けていて、実戦で力が発揮できるとは」。就任初の夏を戦った粟ケ窪喜一監督(55)は選手たちをたたえた。

 選手は17人。3年生はわずか3人だが、主将祝(ほおり)は「少ないからこそ一人一人が責任感を持ってやれている」と逆境を力に変えてきた。

 大会直前まで全員参加で毎朝5キロ走り込んだ。雨の日でも体育館を使用し、欠かすことはなかった。「あの練習でチームは一つになれた」と祝。大きな舞台でも存分に力を出し切った。

 次の相手は前回覇者の名門横浜だ。当然、壁は高いが、キャプテンはこう言った。「一球一球、勝ちにつながるプレーをする。自分たちらしく守って打って、謙虚に食らい付いていきたい」

小野寺好投し笑顔
 南の主戦小野寺が1失点完投。開幕戦で仕事を果たし、「最初の一球をフォームを気にしながら大事に投げて、そのままいくことができた」と笑顔で振り返った。

 120キロ台の直球に3種の変化球を織り交ぜ、的を絞らせず、春からエース番号を託した粟ケ窪監督も「人生で最高のピッチング」と褒めたたえた。

“冬”乗り越え格別の夏

 コールド負けだし、ミスもたくさん出た。それでも格別だった。「横浜スタジアムでできるのは開幕戦か準々決勝以降だけ。高校野球を続けてきてよかった」。高浜の2年生キャプテン・都外川は大粒の汗を拭った。

 昨冬は選手が自分一人しかいなかった。マネジャーにノックを頼み、キャッチボールは監督としていた。春になり、校内中にポスターを貼って勧誘した。1年生が6人入った。まだ2人足りない。生徒会長と元部員という3年生が応えてくれた。「やったことのない練習がたくさんできるようになってうれしかった」。入場行進のプラカード要員も加わって10人。高浜として3年ぶりの単独出場がかなった。

 1年生が頑張ってくれた。六回を投げ切ったエース山崎は頼りないバックを背に、四球ゼロと逃げなかった。4番星野、5番武田が2安打。自分はノーヒットに終わったが、フルスイングを貫けた。

 3年生が抜けると、部員は7人になる。「試合を見てくれた人が、一人でも二人でも一緒にと思ってくれたらうれしい」。次の目標は「秋の9人」をそろえることだ。

 ●高浜・山崎 初めての大会で舞い上がってしまったけど、この雰囲気を楽しむことはできた。内野は1、2年生なので新チームでも不安はない。カーブの制球を磨きたい。

 ●高浜・藤井(弓道部引退後、一肌脱いだ生徒会長) 3年間頑張ってきたマネジャーの力になりたくて、1カ月毎日練習してきたのにふがいない。でも、特別な思い出ができた。野球は動きがあって楽しい。

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