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〈時代の正体〉反ヘイトに共感の輪 デモ予告に抗議

7/9(日) 8:00配信

カナロコ by 神奈川新聞

【時代の正体取材班=石橋 学】差別のない川崎は私たちがつくる-。市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」は8日、人種差別主義者が近く実行を予告しているデモに抗議する街宣活動をJR川崎駅前で行った。川崎市のヘイトスピーチ対策への支持を表明するちらしや「さべつのないかわさき」とプリントされた風船を道行く市民に配ると、共感の輪が広がった。

 横断幕には「共に生きよう」「さべつかっこ悪い」の文字。マイクを握った志田晴美さんが訴えかけたのは「私たちの問題」だった。

 「ヘイトスピーチは社会を壊します」「妨害が予告され、この場に来られなかったマイノリティーの友人がいます。ヘイトは表現の自由を奪う人権侵害。表現の自由ではありません」「差別をなくせば川崎はもっとすてきな街になる」

 買い物途中の女性は「暑い中、熱心に語る姿に、この社会の一人一人がなんとかしないといけない問題だと伝わってきた」と足を止めて聞き入った。

 試合帰りの市立中1年の女子ソフトボール部員の3人は「大の大人が差別なんてしては駄目」「そんな社会のこの先が心配」。そして「こうして反対している大人もいると分かって安心した」。

 開始間もなく、インターネット上で妨害行為を予告していた人種差別主義者2人が駅前に姿を見せたが、川崎署員の誘導でその場を後にさせられた。近寄らせないよう求めた街宣参加者の伊藤大介さんは「動画を無断で撮影し、ネット上で名前や住所までさらす卑劣な人物。人権侵害が引き起こされるのは確実だった」と安堵(あんど)した。

 参加者は約300人。地元の市議や国会議員、県議もマイクを握り、視察する市人権・男女共同参画室の職員の姿も。市民ネットワークの三浦知人事務局長は「妨害を寄せ付けず、市民意識の高まりが確認できた。予告されているデモはわたしたちの社会への挑戦だ」と話し、市民、行政、議会が一体となった「オール川崎」による差別根絶へ思いを新たにしていた。