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スーパーフォーミュラ富士:まさかの連続のサバイバル戦、石浦宏明が逆転で今季初優勝

7/9(日) 19:00配信

オートスポーツweb

 全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦の決勝レースが7月9日、富士スピードウェイにて開催され、2番手スタートの石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が波乱の展開の中、逆転で今季初優勝を遂げた。

【写真】スーパーフォーミュラ第3戦富士を華やかにするレースクイーンたち

 開幕戦の200kmスプリントレース、第2戦の2レース制からうってかわり今大会は250㎞レース、いわば通常どおりのレースフォーマットで争われる(第3戦以降、最終戦鈴鹿以外はすべて250kmレース)。タイヤ交換義務はないものの給油は必要となるレース距離のため、全車ピットイン作業が必要となるが、タイヤ戦略は2輪交換か4輪か、はたまた無交換で走り切るのか、各チームの戦略にも注目が集まった。

 気温34度、路面温度48度と気温は昨日よりさらに上がり、日差しも強くなり、真夏日らしい過酷なコンディションとなった決勝日。スタート3分前の合図とともに国歌吹奏が行われ、14時10分定刻にてポールポジションの国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)を先頭に各車フォーメーションラップへと走り出した。

 各車軽く左右にクルマを揺さぶりながらタイヤのグリップを高め、それぞれのグリッドへと向かう。グリーンフラッグが後方で振られたのち、前方でレッドシグナルが点灯、ブラックアウトと同時に火蓋が切られた。

 スタートはポールポジションの国本が好スタートでホールショットを決めるもチームメイトの石浦は加速で遅れ、石浦はオープニングラップでポジションをふたつ下げ4番手の位置に下がってしまう。石浦をかわして順位を上げたのが2番手の関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)と3番手の中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)。

 その後方、KONDO RACINGは2台ともスタートで出遅れ山下健太はポジションをふたつ落とし8位、ニック・キャシディは野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)とのバトルでフロントウイングを失いダンロップコーナー手前でマシンを止め、早々とレースを終えてしまう。

 12番手スタートのアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)はスタートをうまく決め、1~2コーナー、コカコーラコーナー、ダンロップコーナーそれぞれでオーバーテイクを決めて、1周目で7番手の位置まで順位を上げた。

 3周完了時点で一旦、隊列が整い、先頭から国本、関口、中嶋一貴、石浦の順に。この時点で国本と関口の差は2秒ジャスト、5周終了時点では2.6秒と周回を重ねるごとにコンマ5秒程度、差が大きく広がっていく展開となる。

 その後方ではバトルによる順位変動もあるものの上位陣は膠着状態に。ここで最初に動いたのはロッテラー。9周完了時点で早々にピットイン、約9秒の給油のみでタイヤを交換せずに再びコース最後尾へと戻った。

 チームメイトの一貴も早めに動き14周完了時にピットイン。ロッテラーと同様、給油のみの作戦をとり、ロッテラーの前でコースへ復帰した。この翌周には2番手走行の関口も一貴に合わせる形で給油のみでピット作業を終え、一貴の前でコースに戻り、関口、一貴、ロッテラーの順で第2グループを作る。

 関口、一貴の2番手、3番手がピットに入り、状況が好転したのがスタート直後は4番手だった石浦。関口と一貴が前からいなくなると1分26秒台の速いペースで周回を重ね、20周終了時点でトップの国本は後ろの石浦に7.6秒の差がついていたが、石浦のペースの方がやや早く、周回を重ねるごとにジワリと差を詰めていく。

 レース中盤になると、中団のマシンは順次ピットに入っていく。給油のみ、給油+リアタイヤ2本、給油+4本と戦略が分かれていた。

 25周目、3位を走っていた山本尚貴がホームストレートを走行中、左リヤタイヤがバースト。山本は既に1コーナーに差し掛かっており、スローペースのまま、丸々1周を走らなければいけない状況へと追い込まれてしまう。

 山本はなんとかピットに戻ることはできたが、そのままガレージにマシンを入れ、コクピットを降りレースを終えた。

 29周目、4位走行中のルーキー山下のリヤカウルがバタついているのが映像でクローズアップされる中、山下に別のトラブルが発生。山下は100Rを過ぎたところで挙動を乱し、山本尚貴同様、左リヤタイヤがバーストする姿が映し出される。

 山下はそのままピットへ戻りタイヤを交換してコースに復帰したが、最終的には47周目にマシンをガレージに入れリタイアとなってしまった。

 左リヤタイヤのバーストというトラブルが立て続けに起こり、他のドライバーにも同様のトラブルが起きてしまうのか不安が広がる中、新たなトラブルが発生し、これが今回のレース展開を大きく変えてしまう。

 31周終了時、トップを走る国本雄資が動く。タイヤ4本交換と給油作業を行い難なくコースへ復帰したと思われたが、アウトラップのレクサスコーナー付近でまさかのスロー走行、そのまま緊急ピットインとなってしまう。

 国本がピットに止まると、メカニックが右フロントタイヤを外し、サスペンション周辺の確認作業を行う。修復か修正の作業を行った後、再びコースへと戻ったが挙動は戻らず再度ピットイン。自身初のポール・トゥ・ウインはマシントラブルによって儚く消えてしまった。

 国本のトラブルにより主役の座は2番手を走行していたチームメイトの石浦へ。この時点でピットに入っていないのは石浦の他、14番手スタートの小林可夢偉(KCMG)、10番手スタートのフェリックス・ローゼンクビスト(SUNOCO TEAM LEMANS)、16番手スタートのナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)の4台。

 まず動いたのはこの時点で2番手を走行していたローゼンクビストで36周完了時にピットイン。リヤタイヤ2輪交換と給油を行い、3番手の位置へと戻った。

 次に動いたのは石浦で2位と23秒以上の差をつけて4輪交換と給油を行い2番手でコースした復帰した。レース序盤にピット作業を行っていたドライバーの中でこの時点のトップに立っていた5番手走行中のロッテラーとの差はあまりにも大きく、2番手を走る可夢偉の姿も見えない余裕のコース復帰となった。

 最後にピットイン未消化ながらも先頭を走っていた可夢偉は42周完了時にピットイン。表彰台も狙える位置でコース復帰かと思えたがタイヤ交換後のリスタートでエンジンストールしてしまう。燃料が気化してしまうパーコレーションが起きてしまったとのことで、燃料が届かないアクシデントに見舞われ、可夢偉は戦線離脱となってしまった。

 この時点で石浦がチームメイトがトラブルによりリタイアしたという不安な状況の中、2番手走行のローゼンクビストとともに2台だけ1分25秒台に入る速さを見せ、勝負を決定づける展開に。2番手を走るローゼンクビストも石浦よりコンマ1秒速い1分25秒581のファステストをマークして石浦を追うが、届かない。

 残り数周はコース上の注目は関口とガスリーの4位争いに注目が集まり、タイヤ無交換の関口を、タイヤ4輪交換のガスリーが追う展開となる。セクター3から最終コーナーで関口の背後につくガスリー。OTS(オーバーテイクシステム)を使ってスリップに入るも、関口もインを抑え、オーバーテイクを許さない。

 関口はリヤタイヤが厳しいようで、最終コーナーの立ち上がりで何度も挙動を乱しながら立ち上がる中、ガスリーは何度も背後に付くも、その後はストレートで離される展開が続き、エンジンを含めた加速の差が明らかだった。

 結局、バトルは最後の最後までもつれながらも関口が巧さを見せての4位死守。そしてトップの石浦は無事にトップチェッカーを受けて今季初優勝。昨年の第2戦岡山以来となる、1年ぶりの優勝を果たし、ポイントランキングは前戦岡山大会終了時点の4位からトップへと躍り出ることとなった。

[オートスポーツweb ]