ここから本文です

多発したアクシデントにトラブル・・・スーパーフォーミュラ第3戦富士決勝で何が起きていたのか

7/9(日) 20:50配信

オートスポーツweb

 予選日に続いて、決勝日もスタート時で気温34度、路面温度48度という真夏日並の高温下での開催となったスーパーフォーミュラ第3戦富士。レース中盤以降にさまざまなアクシデント、トラブルが発生して優勝争いに大きく影響してしまったが、編集部で把握できたアクシデントの状況をまとめた。

【写真】ローゼンクビストと笑顔で語るオートスポーツwebナビゲーター水瀬きい

●山本尚貴(TEAM MUGEN):タイヤトラブル

 25周目のストレート走行時に左リヤタイヤがバースト。数周前からバイブレーションを感じており、タイヤ交換の準備を進めていた最中だっただけに、「1周前にピットに入っていれば・・・」と悔しいアクシデントになってしまった。

 原因はこれからの調査によるが、デブリの可能性や、山本は前日の予選時からセクター2(コカコーラー・コーナーから100R~ヘアピン~ダンロップコーナー手前)の高速区間が速く、タイヤへの負荷が大きかった影響も考えられる。いずれにしても、トップと同じ1分26秒台でラップタイムを刻み、表彰台が確実な状況だっただけに悔しい結果になってしまった。

●山下健太(KONDO RACING):タイヤトラブル

 山本尚貴のアクシデントから3周後の28周目、100Rを抜けたところで山下健太のマシンが挙動を乱し、左リヤタイヤがバースト。チームによると事前の予兆はなかったようで、突然のアクシデントだったという。4番手を走行中でポイント獲得が確実な順位だっただけに、こちらも悔しさはひとしお。

 山本、山下ともにタイヤのアクシデントが起きてしまったが、ヨコハマタイヤの開発を担う秋山一郎エンジニアによると、「原因はこれから調べることになりますが、アクシデントに遭ったマシンに限らず、多くのチームで私たちの推奨値よりも低い内圧でタイヤ使用している状況があります。そこはこれから改善していかないといけません」と、今後についての課題を述べた。

 今回のレースでもタイヤ無交換、または2輪のみの交換で上位フィニッシュしたドライバーがいるように、現在のヨコハマタイヤのライフ、耐久性が高いため、チーム側としては推奨値よりも内圧を低くして接地面を拡大し、少しでも多くのグリップを得ようとする傾向がある。

 タイヤメーカーからの推奨値はあくまで推奨であり、実際の内圧を設定するのはチーム側の判断になるが、勝利のためにギリギリを攻めるのはレース屋としては当然の手段でもある。

 F1ではピレリタイヤの内圧について、チーム側とタイヤメーカーの問題が深刻化。最終的には主催者側がグリッド上で任意に数台の内圧を測定し、違反していた場合、重いペナルティを科す規定が設けられたが、果たして今後のスーパーフォーミュラではどのような対応をすべきか。これからの課題になるかもしれない。

■トップを走行中の国本にまさかのトラブル。可夢偉にも

●国本雄資(P.MU / CERUMO · INGING):サスペンショントラブル

 トップを独走中、ピットインでタイヤ交換を終えた33周目にバイブレーションを感じてスローダウン。右フロントのサスペンションの一部にトラブルが発生して再びピットイン。修復してコースインするも反対側にも同じ兆候が見られたため、マシンをガレージに入れてリタイア。チームメイトの石浦宏明が優勝を飾ったものの、国本はトラブルが出るまではパーフェクトなレース展開だっただけに、ドライバーだけでなくチームも落胆ぶりは大きい。

●小林可夢偉(KCMG):パーコレーション(燃料の気化)によるエンジンストール

 一番最後までピットインを引っ張り、4周トップを走行した後、42周目にピットイン。その給油中にパーコレーション(燃料の気化)が起きてしまい、エンジンストール。スターターを回してエンジンを再始動するもエンジンがかからず、電源をリセットして再起動でようやく動き出すことができた。

 真夏日に近い気温だったため、ガソリンが気化して燃圧が低くなり、エンジンに燃料が回らない状況になってしまった。「可夢偉はいつもどおりの作業をしている中で、燃料の温度が高くなりすぎてしまって、昔のクルマでは夏場によくありましたが、このクルマではこれまで起きたことのないパーコレーションが起きてしまいました。3番手が狙えた状況で、我々としても初表彰台が見えていたので残念です。再発防止策は施していきたいと思います」とKCMGの土居隆二監督。予選では可夢偉がスピンを喫してしまったが、それまでに走りとタイムからも、この富士では予選、そして決勝ともに上位を狙える速さがあることは明らかだった。

 上記の他にも、実は優勝した石浦宏明(P.MU / CERUMO · INGING)がファイナルラップでギヤトラブルが発生してシフトアップできなくなっていたり、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が終盤にセットアップの影響からかバイブレーションを感じていたりなど、今回の富士戦はマシンにもドライバーにも厳しい戦いを強いることになった。

 幸い、ドライバーやマシンに大きなダメージが残るような事態にはならなかったが、次の第4戦もてぎ、その後のオートポリスと真夏の戦いが続いていく。アクシデントやトラブルは、ギリギリを競い合うレースにはどうしても起きてしまう出来事。そしてこれからの夏はその可能性が一段と高くなる。

[オートスポーツweb ]

Yahoo!ニュースからのお知らせ