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稀勢の里「自分らは相撲しか」被災九州へV届ける

7/9(日) 9:58配信

日刊スポーツ

 大相撲の横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が復活優勝で、九州豪雨に苦しむ被災地に勇気を与える。名古屋場所は今日9日、愛知県体育館で初日を迎える。8日は同所で土俵祭を開催。稀勢の里は、記録的豪雨で犠牲者の出ている福岡、大分を思い「自分らは相撲しかできないですから」と語った。先場所は左上腕付近の負傷で途中休場。約17年ぶりに4横綱3大関が居並ぶ今場所は本来の“強い横綱”を見せ、九州場所で世話になっている土地に力を送る。

【写真】稀勢の里の初日は御嶽海、高安は北勝富士

 雲1つない夏空の下で、稀勢の里の表情が曇った。

 「災害はどうしてもね…。自分らは相撲しかできないですから。少しでも協力できることがあれば、考えていきたいです」

 土俵祭を終え、屋外に出て、犠牲者が出た九州豪雨について質問を受けた。軽はずみなことは言えないが、大勢の人が苦しむ福岡は、11月九州場所の地。04年にはしこ名を萩原から稀勢の里に改め、新入幕で挑んだ思い出もある。

 名古屋場所では、横綱初Vの“代償”に左上腕付近に深手を負った春場所、その影響で途中休場した夏場所からの完全復活を狙う。そこに、被災地への思いを込める。

 協会トップが出した注文も、望むところだろう。八角理事長は言う。「何とか調整しての出場ですね。『ちゃんと治して…』と言われるけど(横綱は)出るのが務め。だからすぐ休まないのは立派です。いつも万全とはいかなくても、勝つのが役目。絶好調でなくても、勝つのが横綱の使命だからね」。

 初日の相手は御嶽海だ。過去5戦すべて寄り切って勝った。だが、自己最高位の関脇となった24歳には、勢いがある。「しっかり集中してやりたいです」と気を緩めない。この日は宿舎を構える愛知・長久手市の稽古場に午前7時半に姿を見せた。2日連続で本番用のなす紺の締めこみをつけ、四股で体をほぐすと立ち合いの稽古を7本こなした。入念な1時間を過ごしてから、午前10時からの土俵祭へ向かった。

 00年春場所以来となる4横綱3大関の豪華布陣。戦闘準備は整った。「(状態は)いいと思います。(調整は)いつもと同じようにしてきた。自信を持ってやれる。1日1日を大事に、集中してやりたいです」。横綱として白星を重ね、強い稀勢の里の姿が、福岡の、九州の人の心に届くように。【加藤裕一】

 ◆角界の主な災害復興支援 日本相撲協会は東日本大震災、熊本地震、新潟・糸魚川大規模火災などに際して、場所、巡業中に募った支援金を被災地に贈っている。また巡回慰問なども実施しており、8月14日には東日本大震災の被災地である岩手県釜石市を横綱2人が訪れ復興祈願の土俵入りを行う予定。個人で支援活動を行う力士もいる。

最終更新:7/9(日) 10:21
日刊スポーツ