ここから本文です

ナガイモ農家台風に負けず/青森県南地方で追肥作業

7/9(日) 11:44配信

Web東奥

 昨夏の長雨や台風などで、大きな被害を受けた青森県南地方のナガイモ。種イモが不足する中、農家の多くは今春、例年なら捨てていた重さ50グラム未満の極小の種イモや、出荷用ナガイモを切って種イモの代替とする「切りイモ」を植え付けてしのいだ。「今年の出荷用イモは小さくなるのでは」との不安が消えない中、7月に入り「産地を守らなければ」と願いを込めながら追肥作業を行っている。
 県南地方のナガイモ農家の多くは出荷用と、翌年春に植え付ける種イモ用を育てる。三沢市内の農家は前年に植えた種イモを3~4月に掘り起こし、出荷用として5~6月に植え付け、11月の収穫を目指す。
 だが上北地域県民局地域農林水産部農業普及振興室三沢分室と三沢市、おいらせ農協(本店・三沢市)が昨年11月~今年1月、台風被害が大きいと予想された同市内72カ所の種イモを調べたところ、6668株中8割強が、つる切れや腐敗などの被害を受けた。また、大きさで見ると、種イモは100グラム程度まで育つのが普通だが、50グラム未満が8割強に上った。
 三沢市の大塚誠次さん(74)も昨年の出荷用は約3割の減収。種イモ用は今年3月に掘ったところ、「大丈夫と思っていたが全滅」。ナガイモを育てて40年以上になるが「こんな経験は初めて」という。
 種イモをどう確保するか悩んだ末、昨年の出荷用から「切りイモ」を10アール分用意。おいらせ農協から約52アール分の種イモを購入し、出荷用として計約62ヘクタールを5月下旬に植え付けた。栽培面積は当初計画の約80アールから2割以上減ったが「ナガイモ産地を守り、消費者の期待に応えたい」と思っている。
 県や農協などは、極小の種イモを植えた農家に対し、早めの追肥を呼び掛けている。大塚さんは6日朝、三沢市三沢戸崎の畑で追肥作業を行った。「生育は、まずまず」。ただ、極小種イモを植えた区画の生育は遅れ気味という。「良い天候が続き、昨年のように台風に襲われたりしなければいいが」と汗をぬぐった。
 おいらせ農協が6月初旬、市内ナガイモ農家に栽培予定面積を聞き合算したところ、昨年並みの計約195ヘクタールだった。だが、実際はもっと減る可能性が指摘されている。
 同農協本店の松尾裕一指導課長は「小さな種イモをやむを得ず使うか(腐敗の心配もあるとされる)切りイモを使うか、栽培面積を減らすか。農家の多くが悩んだ」とし「今年が平年並みの天候になっても、収穫量が完全に回復するまでには時間がかかるのではないか」と気をもんでいる。

◇昨年の県内ナガイモ被害
 県によると、昨年8月末の台風10号のナガイモ被害額は20億5602万円と農作物の中で最大。県農協中央会によると、他の台風なども含め、取扱量が最多のゆうき青森農協(本店・東北町)をはじめ、十和田おいらせ農協(同・十和田市)、おいらせ農協(同・三沢市)、八戸農協(同・八戸市)で深刻な被害が発生した。

東奥日報社

最終更新:7/9(日) 11:44
Web東奥