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富士山頂の鳥居、76年ぶり建て替え 夏山登山客を迎え入れ

7/10(月) 7:52配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 富士山山頂の富士山本宮浅間大社奥宮前の鳥居が今夏、76年ぶりに建て替えられる。山頂の厳しい気候に耐え続けた旧鳥居は役目を終え、真新しい鳥居が夏山シーズンの登山客を迎え入れる。

 同大社などによると、現在の鳥居は1941年、前年の皇紀2600年を記念して東京都の大手広告会社が奉納した。奥宮に最も近い場所にあり、登頂を果たした登山者から写真を撮影するスポットとして親しまれている。

 山頂はバクテリアの数が少なく木が腐りにくいことから、激しい雨風にもかかわらず現存の鳥居の姿形は当時の面影を残している。昨夏、奥宮が建立以来初となる全面改修工事を終えたのに合わせ、大社からの依頼で同じ会社から再び奉納を受けることになった。

 新しい鳥居の製作に当たったのは関東・中部地方を中心に社寺関連の建築を手掛ける協和産業(富士宮市)。5月下旬から作業を本格化し、7月上旬に完了した。デザインや寸法は現存と同様で、木材は吉野ヒノキの一級品を使用。高さ約4メートル、資材の総重量は1トンを超える。

 主に八つのパーツに分けて富士宮口5合目からブルドーザーで山頂まで運ぶ。神事を執り行った後、職人らが現存の鳥居を撤去。地中の木製の土台も取り換える。重機を用いて新鳥居を組み立て、12日をめどに同じ場所に建立する。

 事前の仮組みは問題なく、後は山頂の天候を祈るのみ。塩沢宏章代表取締役(63)は「生涯に一度の経験。日本一の山の頂上に設置されると思うとありがたいこと」と話す。

 同大社の中村徳彦宮司(74)は「鳥居は神社にとってシンボルの一つ。風雪に耐え、登山者を見守ってほしい」と感謝する。奥宮では今夏、5年ぶりに山頂郵便局が営業を再開するなど、例年以上のにぎわいが予想される。

静岡新聞社