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YouTuberの生活ってどんな感じなの? 小学生と父、親子で投稿を続ける「まえちゃんねる」に聞いてみた

7/10(月) 11:10配信

ねとらぼ

 近年、テレビタレントにも負けないような人気を集めているYouTuber。小学生や中学生の「将来なりたい職業ランキング」にランクインするなど、子どもたちの間ではすっかりおなじみの存在となっていますが、その実態についてはまだイメージがつかめていないという方も多いのでは?

【画像】「パパと一緒にYouTuberやる?」「ヤダ!」(即答)

 そこで今回は、親子で一緒に動画を投稿する人気YouTuber「まえちゃんねる」さんと、普段からよくYouTuberチャンネルを見ているという視聴者代表のお父さんとその娘さんをお招きして、“ダブル親子対談”をしてもらいました。

●“撮る”側と“見る”側、親子×親子対談

 ご協力いただいた「まえちゃんねる」さんは、前原さんとその息子えいしん君(小学3年生)による親子YouTuber。おもちゃやゲームなどの紹介動画で人気を集めており、チャンネル登録数は13万超。1本あたり5万回以上再生されている動画も珍しくありません。

 対して、視聴者側の親子として参加するのは、アイティメディア社員でガジェットが大好きな三ツ谷と、3兄妹の真ん中で、普段からYouTuberの動画を楽しんでいるというすずちゃん(小学1年生)。

――本日はお集まりいただきありがとうございます。今回はスケッチブックと色鉛筆を使って、みなさんにお互いへの質問や絵を描いていただきながら進めていきたいと思います。

前原父: はい!

三ツ谷父: 分かりました!

――では、色鉛筆はここに置いておきますね。

三ツ谷父: ……ん? なんだろうこの「フリクションいろえんぴつ」って。

前原父: フリクションって、こすって消せるボールペンのアレですよね。えいしん、ちょっと使ってみてよ。

三ツ谷父: うわ、本当だ、消える! ボールペンと違ってインクは使ってないのに、ラバーでこすると消える!

前原父: パッと消えますね、これ。消しゴムと違って、カスも出ないし。

えいしん: すごい! これ、どうなってるの……?

前原父: こすると紙が熱くなるでしょ。それで消える色鉛筆なんだよ。お湯とかでも消えるのかな?

すず: じゃあ、お風呂場に持っていくと、どうなるの?

三ツ谷父: まず水気で紙がダメになっちゃいそうだけど。でも、色鉛筆自体は大丈夫なのかな。

前原父: 色は熱でなくなるわけですからね。……もしかして、芯が透明色になる?

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 ……のっけから色鉛筆トークが止まらない皆さん。どちらのパパもガジェット好きで、どちらのお子さんもお絵描きが大好きということで、本題に入る前に予想外の盛り上がりです。

【画像】「パパと一緒にYouTuberやる?」「ヤダ!」(即答)

 「説明書によると、マイナス10度で色が戻ることがあるらしい」「冷凍庫でお絵描きが復活するかも」「『名探偵コナン』のトリックに使えそう」「このアイテム、動画にしようかな」初対面だった親子2組の心の壁だけでなく、対談の段取りまで吹っ飛んでしまいました。

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三ツ谷父: いきなり盛り上がっちゃいましたが、ぼちぼち対談に入りますか(笑)。僕からの最初の質問なんですが、親子YouTuberとして活動を始めたきっかけって何ですか?

前原父: 最初に投稿したのは、親戚に見せるためのホームビデオでした。この子(2010年/当時1歳)が、プラレールで遊んでいるところをiPhoneで撮影して、YouTubeにアップしたんです。DVDに焼いて送るより、メールでURLを送信するほうが楽だな、って。そしたら、その動画の再生数がたまたま伸びて、YouTubeって面白いんだなーと思うようになったのがきっかけです。

三ツ谷父: へー、普通のホームビデオが注目を集めることなんてあるんですか。僕も撮ることはあるんですが、保存したら終わりという感じ。そこから公開まで進むと、別の世界が広がっているのかあ。

前原父: 当時はプラレールの動画がまだ少なかったので、ニーズがあったんだと思います。その後、しばらく投稿を中断していたんですが、ジェットダイスケさんのお話を伺う機会があって。それで意識が変わり、2012年ごろから本格的に活動開始しました。「本格的」といっても、昼は仕事があったので週に1~2本くらいの投稿ペースでした。

三ツ谷父: 仕事とYouTuberの両立って、どういう生活なんですか?

前原父: 僕の場合は19時ごろに帰宅して、20時から撮影。えいしんが寝たら、編集作業を始めて……という感じです。翌日も仕事があって、それほど時間が割けなかったので、テロップは入れずにカット編集、BGM追加を中心に、30分~1時間くらいで終わらせていました。
三ツ谷父: お仕事は映像関係だったんですか? 動画編集ってけっこう大変でしょう?

前原父: いや、業界はまったく関係ないですよ。動画編集ソフトの使い方は、実際にやっていくなかで覚えていきました。

三ツ谷父: 経験がない状況からのスタートだったんですね。……ということは、やる気になれば僕もできるのかなあ。

――三ツ谷さんはガジェット好きだから、商品レビューにも向いているかもしれないですね。

三ツ谷父: でしょ? 今日だって、色鉛筆だけで大興奮してるし(笑)。

前原父: 「こういうアイテムの面白さを伝えたい」という気持ちがあれば、ガジェット紹介動画は始められると思いますよ。

三ツ谷父: お! それじゃあ、すずちゃん。パパと一緒にYouTuberやってみる?

すず: やんない(即答)。

――新たな親子YouTuber、誕生ならず……!


●今の子どもは、どうやって動画を楽しんでいる?

――ひと昔前、自宅で利用できる映像コンテンツといえば、テレビ、ビデオ、DVDくらいだったと思います。そこにインターネットが加わった今の子どもたちは、どのように映像を楽しんでいるのでしょうか。三ツ谷家はいかがですか?

三ツ谷父: うちは子どもが3人いて、下の2人(すずと3歳の娘)はママのスマホでYouTubeを見てますよ。

すず: うん、わたしは女の子(YouTuber)がお菓子の紹介してるのとか見てる。○○(妹)は違うのが好きみたい。

 あと、お兄ちゃんはスマホじゃなくて、パッド(タブレット端末)で見てる。

三ツ谷父: 12歳の長男は、Kindle Fireでマイクラ(Minecraft)のゲーム実況動画を見ながら、もう1つのタブレットで自分でマイクラをプレイしてます。ファミコン世代には信じられないマルチディスプレイ環境です。昔はゲームを始めたら、テレビもビデオも見られなかったのに。

前原父: 我が家の場合、僕がほかのYouTuberさんの動画をよく見てます。えいしんはそんなにたくさん見てるほうじゃないよね。

えいしん: でも最近、パパのゲーム実況にハマってる。

三ツ谷父: YouTuberならではの、いい話だなあ……。

――女の子はお菓子で、男の子はゲーム実況。小学生でも、男女の趣味の違いがはっきり出るものですね。YouTube以外だと、何を見てますか?

三ツ谷父: すずちゃん、何見てたっけ? プリキュアとか?

すず: そんなに見てない。

三ツ谷父: あ、そうなの? うちはあまりテレビを使わないんですよ、NetflixとAmazonプライムビデオに入ってて。すずはもう1人で端末を操作できるので、自分で動画を探してるみたいです。どんなの見てるんだっけ?

すず: 「らんま1/2」。

前原父: あれ、意外とレトロですね(笑)。

すず: あと、「うる星やつら」。

――まさかの高橋留美子先生推し……。

三ツ谷父: どういうわけか、僕が子どものころにハマった高橋留美子作品を、1話から全部見てるんですよ。最近のアニメだってあるはずなのに。

前原父: 反対に、えいしんはけっこうテレビを利用してますね。日曜日の朝は、僕と一緒に戦隊モノ、仮面ライダー、デュエマ(デュエル・マスターズ)を見てます。その他には……妖怪ウォッチは見てる?

えいしん: 見てない。

前原父: 飽きちゃった?

えいしん: 違うよ。ベイブレード見すぎちゃったせいで録画がたまってるから。早く消化しなきゃなんだけど……でも、ドラえもんも見たい気がする!

三ツ谷父: それ、大人も同じ悩み抱えてる。


●クラス全員と……

――ところで、えいしん君、すずちゃんは、外で遊ぶときはどんなことしてるの?

すず: 友達と鬼ごっこ!

前原父: えいしんは?

えいしん: 僕はクラス全員と……。

三ツ谷父: ク、クラス全員!?

えいしん: イベントを企画して……。

三ツ谷父: イベント!?

えいしん: クラス全員でイベントを企画して、鬼ごっことかしてる。

前原父: あー、びっくりした。やるのは鬼ごっこなんですね。やっと子どもらしい要素が出てきて、安心しました。

――意外なことが多すぎて、頭の中がゴチャゴチャしてます。整理するとこんな感じでしょうか。

・YouTubeやテレビ、有料映像配信サービスなど、さまざまな形で映像コンテンツが提供されており、子どもたちでも楽しめる環境がある

・子どもが視聴するYouTuber動画は年齢、性別などによって細分化される。好みに合わせて視聴できるほど、ジャンルが豊富

・デジタルネイティブな彼らは、小学生でも端末を操作できる。レトロな作品を発掘してみたり、つい録画しすぎてしまったりと、楽しみ方も悩み方も大人レベル

・そんな時代でも、鬼ごっこの人気は健在。今でも「子どもは風の子」ってこと?


●「親子YouTuberになる」って、どういうこと?

――ここからは、まえちゃんねるさんの現在について伺ってみたいと思います。前原さんはこの4月から、専業YouTuberになられたんですよね?

前原父: そうですね。時間がたくさん使えるようになって、今は1日1~2本ペースで投稿してます。さらにゲーム動画用のYouTubeチャンネルもあるので、合計で1日3本くらい。今のところ、この本数が限界ですね。

三ツ谷父: うわー、多いですね。そんなに動画作るの大変じゃないですか?

前原父: まあ、もっとハイペースで出してるYouTuberさんもいますし、僕はえいしんと楽しみながらやってます。企画も一緒にお風呂に入りながら、「こういうおもちゃを取り上げるのはどうかなあ」と相談して決めたり。だから、えいしんの趣味の変化に合わせて、動画内容がトーマスから戦隊モノ、ライダーと変わってきてます。

三ツ谷父: 子どもって成長すると、関心事がどんどん移っていきますからね。

前原父: このごろは昆虫に興味を持っているので、今年はカブトムシを買うか、捕りに行こうと思っています。

 あと、今年は目標があるんだよね、えいしん。

えいしん: 全国の昆虫館巡り!

三ツ谷父: 水族館、動物園の昆虫版みたいな施設ですよね。そんなに数あるんですか?

前原父: 数はそこまで多くないですが、全国にあります。例えば、静岡県の昆虫館に一緒に行ったことがあるんですが、すごく良かったですよ。本物のヘラクレスオオカブトなどが展示されていて、館長さんが実際に触らせてくれるんです。

三ツ谷父: YouTuberを続けるにはお金がかかると思うんですが、ご家族の理解はどうやって得たんですか? 僕が始めようとしたら「あなたが好きなものを買いたいだけでしょ!」って妻に怒られちゃいそうな気がします。

前原父: 本業になった今は、特に問題ありません。でも、兼業だったころは動画で得た収益を、紹介アイテムの購入費に充てるようにしてました。それ以上使っていたら、さすがにいろいろ言われたと思います。

三ツ谷父: そういうの重要ですよね。家族に迷惑を掛けないための工夫というか。

前原父: ただ、あえて先行投資してチャンネルを成長させる人もいて、考え方は人それぞれです。まえちゃんねるは無理せず、ゆっくりゆっくりやってきた感じです。

――チャンネル成長といえば、三ツ谷家のもう1人のお子さん(長男/12歳)から関連した質問を預かっています。「チャンネル登録数、再生回数を増やすための工夫はありますか?」ですって。12歳なのに、なんだか大人びた視点ですね。

三ツ谷父: YouTuberの世界に親しんでいるうちに、制作者側の考えまで気になるようになったみたいですね。

前原父: そうですねえ……。まえちゃんねるの場合は、特に意図的に何かしているというわけではありません。完全にナチュラルです。子どもと一緒に出てるから汚い言葉づかいは避けようとか、そういうのは考えてますけど。

 そもそも「狙いを定めて、動画を出して、ハネさせる」みたいなことが、成功したことがありません。計画を立ててずーっとやってれば、違うのかもしれないですけどね。

三ツ谷父: そういう仕事っぽいやり方は、キツそうですよね。義務感が出て、つまらなくなりそう。

前原父: 楽しさは大事だと思いますね。撮影時は台本ナシで、その場その場で言うことを考えてますし。よく寸劇要素を入れるんですが、そこも2人で大ざっぱな流れだけ決めて、後はアドリブです。

三ツ谷父: そういえば、すずちゃんも聞きたいことあったよね。

すず: テレビは見ているとなんか飽きちゃうけど、YouTubeは飽きないのはなんでかな?

三ツ谷父: アニメなんかだと連続2~3本が限界だけど、YouTuberの動画は一日中見ていたくなっちゃうそうです。すず以外のうちの子どもも同じことを言ってました。

前原父: うーん。1本あたりの時間が影響しているのかもしれないですね。テレビ番組は大体30分~1時間くらいありますけど、YouTuberはその面白いところだけギューッと詰めて、5~10分くらいまで短くするので。

三ツ谷父: あーなるほど。ムダがないから、テンポなく視聴できるというか。そういう動画の作り方も、YouTuber人気が広まった理由の1つなんでしょうね、きっと。

三ツ谷父: まえちゃんねるさんは、これからどうやって活動していく予定ですか? 失礼な話、えいしん君がいずれ「YouTuberをやめたい」と思うようになる可能性もあると思うんですが……。

前原父: できるところまでは続けようと思っています。

 本格的に動画投稿を始めたばかりのころは、僕が1人でやっていたんですよ。えいしんは隣にいるけど、画面外という状況でした。でも、そのうち、えいしんが動画冒頭の掛け声「はいこんにちは。まえちゃんねる、前原です!」の「です!」だけ合わせて言うようになりました。

――今ではすっかり定番になっているシーンですが、自然発生的に生まれたものだったんですね。

前原父: ええ。それから、一緒にやろうという話になり、今の形になりました。ちょっとややこしいんですが、「子どもがメインのホームビデオ → 親がメインのガジェット紹介 → 親子YouTuber」という流れです。だから、えいしんが「僕はもういい」と言い始めたら、また1人に戻るかもしれません。

 でも、今のところ、そういう心配はあまりないと思っています。学校の友達もYouTuberとしての活動に理解を持ってくれているみたいですし、最近はむしろ「1人でやってみたい」ということで、えいしんの「ひとりレビュー」の動画を作っているくらいですし。

三ツ谷父: どんどん楽しさに気付いてるんでしょうね。


●対談を終えて

――三ツ谷さん、まえちゃんねるさんと対談してみてどうでしたか?

三ツ谷父: うらやましかったですよ~。僕もYouTuberになってガジェット紹介動画を作ったら、毎日のように開封するときのワクワク感が味わえるかもしれないですよね。それに、子どもと触れ合う時間が今より増やせそうでしたよね。僕の趣味としても家族サービスとしてもメリットがありそうです。

 以前のまえちゃんねるさんのように、仕事と両立できるならチャレンジしてみてもいい気がします。……でも、僕の場合は編集作業が面倒になって、続けられないかもな。マメな性格じゃないから。

 ねえ、すずちゃん。パパがYouTuberを始めたら、一緒にやる?

すず: ヤダ(即答)。

――姿勢が一貫してますね(笑)。

三ツ谷父: 僕よりYouTuberに触れてるから、はっきりしたイメージを持ってるんだと思います。最近は洋服への興味が大きいみたいで、今日なんて首元にチョーカーっていうの? 付けてますし。僕と違ってすごくオシャレ。好きなものが違うから、実際のところ、難しいと思います。

――今日描いてもらった絵にも、服や靴が出てきてますよね。

三ツ谷父: でも、女の子の友達同士ならちょっとやってみたい、って考えてるみたいですね。

すず: うん、いとこの子とか。

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 まえちゃんねるさんの話で印象的だったのは、2人がYouTuberとしての活動を、「自分たちが楽しむこと」を何より大事にしながら続けているということ。例えば親子で一緒にスポーツをしたり、どこかに遊びに行ったりという「家族の時間」の延長線上に、あくまでも自然な形で動画の撮影や投稿があるのだと言います。

 そんな貴重な時間を、いつでも見返せるように動画に残しておくというのは、家族サービスという観点からもとても大きな意味を持つのかもしれません。さらに、それを多くの人が見てくれて、「見る方」と「見られる方」の両方がポジティブな反応を得られるからこそ、時間を掛けて動画を公開するモチベーションを維持できるのでしょう。

 もちろんどんな親子にでもこうした関係性が当てはまるというわけではないでしょうが、少しでも興味のある方は「YouTuberデビュー」、考えてみても良いのではないでしょうか。

最終更新:7/10(月) 15:06
ねとらぼ