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劉暁波氏の移送「可能」 米独医師、中国側と異なる認識

7/10(月) 5:00配信

朝日新聞デジタル

 服役中に末期の肝臓がんと診断された中国の著名な人権活動家、劉暁波(リウシアオポー)氏(61)を診断したドイツと米国の医師2人が9日、「劉氏は適切な医療ケアがあれば、安全な移送は可能」との声明を発表した。2人が所属する独米の病院も受け入れ準備を整えているとし、「搬送するならできるだけ早く」と訴えた。

 病院側は8日の発表で「移送は危険」とし、独米の医師も中国内での治療に同意したことを示唆していたが、正反対の認識を示した形だ。中国政府は劉氏と妻の劉霞(リウシア)氏(56)の出国を認めない意向を示してきたが、専門医の判断を受け、今後の外交交渉次第では夫妻の早期出国が実現する可能性が出てきた。

 声明は両医師が所属する独ハイデルベルク大学と米テキサス州のがん治療施設のホームページで公表された。劉氏が入院する遼寧省・瀋陽の中国医科大学付属第一病院の「治療の質」は肯定した上で、緩和ケア以外に放射線治療などの選択肢もありうると指摘した。

 さらに、劉氏と家族が治療をドイツか米国で受けたいと希望したと明らかにし、「移送には常に一定のリスクはあるが、移送は可能」との見解を示した。

 また、二つの病院はともに劉氏の受け入れに同意したとし、劉氏に「最善の治療」をする準備ができていると述べた。

 病院側は8日、中国側の専門医が「劉氏の移送は危険」と判断し、両医師に対して「(独米両国では)もっとよい治療法があるか」と尋ねたところ、両医師は「我々にも今よりよい治療法はない。この病院はとてもよくやっている」と答えた、と発表していた。(瀋陽=平賀拓哉、北京=延与光貞)

朝日新聞社