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働き方改革、霞が関もじわり 国会答弁作成に当番制

7/10(月) 7:18配信

朝日新聞デジタル

 政府が旗を振り、民間企業では徐々に広がり始めた「働き方改革」。中央官庁でも、子育て期の女性官僚たちが長時間労働の見直しを公に訴え始めるなど変化の兆しが出てきた。深夜まで明かりがともり、「不夜城」と呼ばれてきた霞が関の働き方も、遅ればせながら変わっていくのか。

【写真】国会は閉会中だが、厚生労働省が入る中央合同庁舎5号館は午後10時を過ぎても多くの部屋に明かりがともっていた=5日、東京・霞が関


 6月下旬の土曜日、厚生労働省雇用支援企画官の河村のり子さん(41)は東大の駒場キャンパスで講演をしていた。演題は「働き方改革がやって来た!」。

 7歳と4歳の2人の女の子の母親として長時間勤務と子育ての板挟みになった経験を紹介した。霞が関の「働き方改革」にも触れ、こう語った。「役所に入って約20年。ようやく改革に手がつけられようとしているんです」

 中央官庁で働く官僚には長時間勤務がつきもの。残業が多い主な理由は国会答弁の作成にある。議員から大臣などへの質問に対する答弁の作成は、霞が関の官僚が担っている。質問通告が夜になると、作業は翌日の未明までかかってしまう。

 こうした働き方に、河村さんら女性官僚の有志11人が一石を投じた。「持続可能な霞が関に向けて」と題する提言を2014年にまとめ、内閣人事局長に手渡したのだ。国家公務員の採用に占める女性の割合は急増しており、最近では3人に1人に。子育ての制約を抱える職員が増えるのは確実で、「このままでは霞が関は立ちゆかなくなる。効率よく成果をあげる働き方への変革が必要だ」と訴えた。

 議員にも質問通告時間の前倒しを求めた。要請の趣旨を理解し、応じてくれる議員は出てきたが、徹底はされていない。そこで河村さんは、急な質問通告に備えた当番制を自身が所属する課で導入した。当番の職員以外は帰宅し、必要があれば、当番の職員が別の職員に電話やメールで問い合わせをして答弁を作成する仕組みだ。答弁の方向性を上司があらかじめ指示し、部下の無駄な作業を減らすことにも努めた。この結果、「確実に残業時間は減りました」と河村さん。

 かつて「ホテル大蔵」と呼ばれ、長時間労働の代表格とみられてきた財務省も6月から働き方の見直しの試行に乗り出した。「全職員が定時退庁できる業務運営」を掲げ、午後7時を過ぎて残業をする場合は上司への報告を促している。省内には「目標設定が高い」との意見もあるが、財務省の城田郁子人事企画室長は「働き方改革は女性だけの問題ではない。共働きで子育てする男性や、介護を抱える男性もいる」と話す。

朝日新聞社