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<害虫>アワヨトウ大発生 飼料用作物に重大被害 鳥取

7/10(月) 8:55配信

毎日新聞

 飼料用トウモロコシの葉などを食い荒らすガの一種「アワヨトウ」の幼虫が鳥取県中部を中心に大量発生し、被害が広がっている。県は酪農家らへの支援策を決めたものの、既に産み付けられた卵がかえって新たな幼虫が発生する「第2波」に見舞われる恐れもあり、被害の拡大に頭を悩ませている。【李英浩】

 県園芸試験場環境研究室(北栄町)などによると、アワヨトウの幼虫は体長3~4センチ。毎年5月ごろ、成虫が九州やアジア大陸などの暖かい地域から県内に飛来する。幼虫は飼料用トウモロコシの葉や牧草などを食べ尽くすが、例年は発生数が少なく、出荷に大きな影響が出るほどの被害はめったに起きなかった。

 だが県畜産課などによると、今年は6月の降水量が82.5ミリ(倉吉市)と例年の半分程度で、気温が高い日も続いた。成虫の飛来や卵のふ化に適した環境となり、大量発生につながったとみている。

 被害は6月下旬から琴浦町や北栄町などで相次いだ。肉牛の育種改良に取り組む家畜改良センター鳥取牧場(琴浦町)では、トウモロコシと牧草を栽培しているほ場(約16ヘクタール)の全域にアワヨトウが発生。一部の畑では全ての作物が使えなくなったケースもあるといい、小野哲士場長は「これから種をまき直しても、十分に育たないままの飼料を牛に与えることになる。肉牛の品質に影響が出かねない」と危惧する。

 大山乳業農業協同組合(琴浦町)に所属する酪農家の被害も深刻だ。7月上旬までに大量発生は収まったものの、組合員が経営するトウモロコシと牧草のほ場計約260ヘクタールでアワヨトウが発生し、被害は飼料を育てているほ場全体の2割に及んだ。このため県は、薬剤散布や種のまき直しにかかる費用を、予備費で助成することに決めた。

 ただ、今回発生したアワヨトウが成長して新たに卵を産み付けた場合、今月下旬ごろから再び幼虫が大量発生する恐れもある。大山乳業は、不足する飼料は外部からの購入も検討しており、「『第2波』を考えると、今は様子を見守ることしかできない」と話している。

最終更新:7/10(月) 9:55
毎日新聞