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【フィリピン】BDOジャパンデスク、経済セミナーを開催

7/10(月) 11:30配信

NNA

 フィリピンの商業銀行最大手BDOユニバンクのジャパンデスクは7日、マニラ首都圏マカティ市で、フィリピン経済と投資の展望などに関する経済セミナーを開催した。日本人を中心に150人以上が参加。講演後の質疑応答では、質問が相次ぎ、ドゥテルテ政権が進める税制改革、金融政策の動向に対する関心の高さがうかがわれた。
 講演の第1部では、BDOのチーフ・マーケット・ストラテジストのジョナス・ラベラス氏が、マクロ経済について解説した。同氏は、ドゥテルテ政権が掲げる10項目の社会経済政策を、「インフラをつくる(Build Infrastructure)」「社会資本開発(Develop Social Capital)」「チャンスをつかむ(Opportunities to Seize=農業、観光、製造で)」の頭文字を取って、「BDO」とまとめ、政府のインフラ支出とビサヤ・ミンダナオなど地方の経済発展が経済成長の鍵を握るとの見方を示した。
 BDOは、フィリピンの国内総生産(GDP)成長率が17年は6.3%となり、18年は6.6%に加速すると見込んでいる。インフレ率は、17年が3.4%、18年を3.5%と予想。為替の変動や税制改革の影響を織り込む必要があると断った上で、食品やエネルギーを中心に、向こう2年のインフレ率は低く安定するとの見通しを示した。
 ペソ相場に関しては、17年末にかけて1米ドル=51ペソまでペソ安が進むものの、18年は50ペソ台に回復すると予測。昨今のペソ安は米国の金融政策の影響であり、海外の投資家は「今がフィリピン投資のチャンス」とみていると強調した。
 今後1年のリスク要因としては、◇税制改革や政府のインフラ投資の進捗(しんちょく)やタイミング◇輸出、観光業、フィリピン人海外出稼ぎ労働者(OFW)の送金額の動向◇フィリピン南部の治安状況や麻薬戦争◇米国の経済政策◇欧米の金融政策――などを挙げた。
 ■海外からの積極的な投資が必須
 第2部で講演したBDOノムラ・セキュリティーズのダンテ・ティンガ調査主任は、日本が8.9%のGDP成長率を達成した1965年~74年には、海外からの投資がGDPの35%以上を占めたことを例に挙げ、「フィリピンでもGDPの30%以上の海外投資が必要」と説明した。
 フィリピンは、インフラの整備不足や法人税の高さが海外からの投資誘致の妨げになっていると指摘。法人税や個人所得税を引き下げる税制改革の早期実現が必須との見解を示した。ドゥテルテ政権は税制改革の第1弾の年内可決を目指している。
 このほか、産業別に企業の収益をみると、電力、水道、通信など一部のセクターが経済成長を取り込めていないと指摘。一方で、製造業、持ち株会社、不動産などは大きく伸びているとして、投資チャンスが大きいとの考えを示した。

最終更新:7/10(月) 11:30
NNA