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稀勢の里 復活場所いきなり苦境 左腕に力入らず…不安残す一敗

7/10(月) 6:05配信

デイリースポーツ

 「大相撲名古屋場所・初日」(9日、愛知県体育館)

 左上腕部などの負傷から復活を期す横綱稀勢の里(31)=田子ノ浦=が新関脇御嶽海(24)=出羽海=に寄り切られ、黒星発進となった。左差しを封じられ、何もできず完敗。初日黒星だった夏場所同様、名古屋場所もいきなりつまずいた。自身も含めて2横綱3大関が敗れる波乱の中、患部への不安を露呈。厳しい現実を突きつけられた。

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 やはりダメなのか…。館内にため息がこだました。稀勢の里の左腕に力が入らない。夏場所の悪夢が名古屋でも繰り返された。

 成長株の御嶽海に頭で当たられ、狙いの左差しを封じられた。右上手も取れないまま、両差しを許して、のけ反った。土俵際、こらえるも棒立ち。なすすべなく土俵を割った。

 過去5戦5勝の得意に完敗。支度部屋では質問に「はー」、「うーん」とため息とうなり声で上の空だった。

 夏場所初日も嘉風に左腕を攻め抜かれ黒星。結局、5敗を喫し途中休場した。左大胸筋と左上腕二頭筋の損傷で約1カ月間の加療と診断。リハビリではゴムチューブや軽い重りなど珍しく器具を使い、患部のインナーマッスルを徹底強化した。

 名古屋入り前に関取と相撲を取り、テーピングもなし。経過は順調に見えたが、6月30日、7月1日の二所ノ関一門の連合稽古では嘉風に手玉に取られ、惨敗。左腕を気にして何度もうめき声を上げた。最後は「あー!!」と叫び声。患部を悪化させた可能性が高まった。

 5日、高安を相手に10戦全勝で「バシッとはまった」とやっと手応えをつかみ、間に合わせた。一方で代名詞の左おっつけは稽古でも出せぬまま。「やってみるだけ」との言葉に不安をのぞかせた。

 明と暗が交錯した復活ロード。いきなり暗が出てしまった。八角理事長(元横綱北勝海)は「小手先だけで差しにいっている。差すなら押し込んでからだ。以前は頭からいって、左おっつけから左差しにいっている。(今は)左がいけないから右もない。きょうの相撲を見る限り、苦しい15日間になる」と厳しい言葉を並べた。

 朝稽古では「今場所は今場所でいろいろある」と話していた。2日目は勢いに乗る20歳のホープ貴景勝(貴乃花)と初顔合わせ。連敗するようなら一気に休場ピンチに陥る。夏場所後、横審(横綱審議委員会)では名古屋場所を全休して完治するよう勧める声も上がっていた。強行出場が失敗し、横綱が2場所連続途中休場となれば、進退問題にも発展しかねない。