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無痛分娩での死亡や重い障害事例相次ぐ

7/10(月) 7:55配信

産経新聞

 無痛分娩をめぐっては、大阪、兵庫、京都の4カ所の医療機関で、妊産婦の死亡など少なくとも5件の重大事例が起きていることが明らかになっている。

 「子供が生まれてからの日々を想像し夢を語り合ってきたが全てが失われた」。神戸市の産婦人科で平成27年に無痛分娩の麻酔を受けた女性と生まれた男児が重い障害を負い、夫(32)は今月5日、厚生労働省などに実態調査を求める要望書を出した。女性は脳に障害を負い意識が戻らないまま今年5月に死亡。男児も意識がないまま入院が続く。

 米国で約1千例の産科麻酔の経験を持つ大阪大の大瀧千代講師(麻酔集中治療医学)は、「海外ではかなり普及して安全も確立しているが、日本では体制の整わないまま導入されている。産科医が分娩全てを行う診療所では、明らかなオーバーワーク状態であり、特に緊急時には産科医と麻酔科医、小児科医と最低でも3人の医師が必要で、産科医1人では危機的状態に陥る」と指摘する。

 厚労省研究班の調査によると、日本での無痛分娩は2・6%(19年度)。一方、米国では全分娩のうち60%(2008年)、フランスでは80%(10年)が無痛分娩。国内では無痛分娩の手順に関する共通のガイドラインもないが、大瀧講師は「体制を整えれば安全に無痛分娩を行うことは十分可能」と強調している。

最終更新:7/10(月) 8:14
産経新聞