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きょうの人 「宗像・沖ノ島」推薦書を作成した西谷正さん(78)

7/10(月) 7:55配信

産経新聞

 ■「全体で完成された一つの文化」

 ユネスコの世界文化遺産への一括登録が決まった「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)に、専門家として推薦書作成に携わった。

 ユネスコ諮問機関、イコモスの勧告を覆す8つの史跡全ての登録を確信していただけに、期待通りのうれしい結果となった。「関連遺産群全体で一つの完成された文化。間違いなく登録されると思っていました」

 推薦書では、島を信仰対象とする伝統を強調していたが、イコモスは5月の勧告で現在の宗像大社に古代の信仰が継承されているとは確認できないとした。だが、除外を求められた本土の宗像大社辺津宮や、中津宮のある大島でも、沖ノ島で約500年続いた祭祀(さいし)の最終段階と同様の遺跡が見つかった。継承性を示す文献資料などもあるという。

 「神社建築は建て替えが行われるので、直接の証拠は残らない。われわれには当たり前のことだが、十分説明しておらず、イコモスの認識不足を招いたのは反省点」と振り返る。

 大阪府出身。小学5年のとき、自宅近くの山で地層の断面から弥生土器を見つけたのがきっかけとなり、考古学の道へ。奈良国立文化財研究所研究員、九州大教授などを経て平成24年から、宗像の歴史を紹介する「海の道むなかた館」の館長を務める。

 「朝鮮半島や中国との国際交流が背景にある。沖ノ島は人を寄せ付けない厳しい島だからこそ神聖性が保たれている。海を熟知する豪族の宗像氏が命を賭して渡り、航海安全を祈った」と、豪族の古墳も含めた一つの文化を強調した。(寺田理恵)

最終更新:7/10(月) 8:16
産経新聞