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新プランでMVNOへの流出は阻止できる? iPhone対応は? KDDI田中社長との質疑応答

7/10(月) 17:04配信

ITmedia Mobile

 KDDIが7月14日から新料金プラン「auピタットプラン」と「auフラットプラン」を提供する。いずれも現行の料金プランよりも安いのが特徴で、「毎月割」が付かない変わりに、端末を安く機種変更できる「アップグレードプログラムEX」も提供する。ここでは、発表会と囲み取材でやりとりされた、記者と田中孝司社長の質疑応答を紹介する。

【「auピタットプラン」の料金】

●MVNOへの流出阻止には自信あり

―― 新プラン提供の背景には、MVNOへの流出があると思う。他のMNOからお客を取ってくるというよりは、auからMVNOへの流出を食い止めたいという思いがあるようだが、現状をどう見てらっしゃるのか。

田中氏 MNO(キャリア)の勢いは弱まってきているので、MNOがお客さんの要望に応えられなくなってきているんじゃないかと思う。月額料金が安いことをお望みのお客さんに応えることが、新しいプランを導入した狙い。プラン変更は端末購入を契機にしなくてもできる。毎月割が入る既存のプランをお好みのお客さんはいらっしゃるので、そのプランも残している。

 MNO間の流動はほぼ毎月変わっていないので、どちらかというと、対MVNOに対してMNOは頑張っていかないといけない。他のMNOからお客さんに来てもらうというよりは、よりMVNOに向かって、われわれの弱いところをしっかり殺していく。

―― auピタットプラン導入による収益の影響額は?

田中氏 今期で200億円ぐらいの還元になると想定している。このプランはだいぶ前から検討してきているので、財務的なものは織り込み済みだとご理解いただきたい。

―― スマートフォンの利用実態と料金に差があるということで、総務省が今年度(2017年度)中に検討すると発言しているが、これを受けての対応なのか。

田中氏 そもそも、(新プランは)だいぶ前から検討しており、準備を進めてきていた。総務省の発表を受けて即対応したということではないが、結果として、より素早い形で対応できたと思っている。

―― auスマートバリューがあまり訴求されていないようだが。

田中氏 auスマートバリューを適用した価格と、そうでない価格もある。auスマートバリューは引き続き頑張っていこうと思う。

―― アップグレードプログラムEXは、端末の販売台数が減少したり、買い替えサイクルが伸びたりすることを配慮したものだと思うが、新しい料金プランに合わせて、端末自体の価格を下げていく、安い端末をもっと投入するといったことは考えているか。

田中氏 アップグレードプログラムEXは、非常にお得なので、お客さんはお入りになると思うが、端末のサイクルを短くしたいとまでは思っていない。24カ月たつと、アップグレードプログラムの支払いが済むし、そこから後は残債がいらないので、24カ月目や25カ月目に機種変更される傾向が強まるのかなというふうに見ている。

 もう1つ、(新プランのような)分離プランは安いプランでお得になることがあるが、それを解決するために、アップグレードプログラムEXを入れている。他社(ドコモ)のように安い端末限定にすると、なかなかプランが広がらないとみている。今回、iPhoneは当初対象外だけど、Androidはフルラインアップに対応できるところまで踏み込んでいる。

 2つのプランを併存させるので、どちらのプランがお得かをしっかり検討していただければいい。現実的なケースで申し上げると、ほぼこのプラン(新プラン)がお得だと思う。よりデータをあまり使わないお客さんの方がお得になる確率が高いが、20GBや30GBのプランがかなり踏み込んでいる。キャンペーンを適用すると、もう一段お得になる。ぜひご検討いただきたい。

―― このプランによって、MVNOへの流出阻止ができる自信はどの程度あるのか。

田中氏 先ほど、新プランの方が有利だと申し上げたが、最初に端末を安く買いたいという人もいらっしゃるので、既存プランも残している。ここまでやると、かなりMVNOが有利な領域はカバーできていると思う。結果としては、流出はそれなりに止まると思う。自信がなければスタートしない。

―― UQ mobileとのカニバリズムが懸念されるが、別会社とはいえ、UQでもガツンとは行かないのか。

田中氏 これは僕らがお答えする話ではない。UQと相談してプランを作っているわけではない。UQはUQで頑張ってほしい。連結した会社の社長としては、お互い切磋琢磨(せっさたくま)してマーケットに対して応えていきたい。

●5GBと20GBの料金はほとんど変わらない

―― iPhoneの対応については協議中とのことだが、iPhone専用のプランが設定される可能性もあるのか。

田中氏 ダイレクトにお答えできないが、まあ、協議中なんですけど(笑)。秋に向かって、いろいろございますので、その辺はお互い理解しながら回答したいと思う。Something Similar(Androidと同様)ということだと思っている。今日時点ではAndroidなので、ご理解賜ればと思っている

―― なぜこのタイミングでの発表となったのか。iPhone(の発表)より前というのが不思議に感じたが。

田中氏 そうですよね、これからですもんね。今回はAndroidだけ。iPhoneは協議中。いろいろ秋に向けて検討中なので、ご理解いただきたい。

―― お客さま還元の200億円を因数分解してほしい。マイナスとプラスの内容は。

田中氏 (マイナスは)料金をドーンと下げたことと、(プラスは)毎月割がなくなったこと。戻しきれずに残っているのが200億円(のマイナス)。

―― 月々たくさん使って通信してしまうことの増収は見込んでいるのか。

田中氏 それは見込んでいない。僕らが望むのは、リテンション(顧客との関係維持)がどれぐらい効くのか。auスマートバリューは、(旧プランでは)2年間だったが、(新プランでは)永年になる。

 月額のデータ使用料が上がればいいとは思うが、そこまでは期待していない。一気に上がってしまうのでは? という意見もあるが、例えば3GBになったら、次に上がるときにメールを出すとか、そういうことは検討している。

 ただ細かく見ると、5GBを超えてくると、実は20GBプランの方が安い。(5GBまでは)ほとんど変わらない(スーパーカケホの場合、ピタットプランは5GBまで月額6480円、フラットプラン20は月額6500円)。現実的に、ピタットプランはより(データ容量が)低いところを下げてきているので、あとは20GBや30GBに移るお客さんが増えるんじゃないかと思う。

―― (ピタットプランで)5GBの次が20GBになるのも……。

田中氏 5GBと20GBって20円ぐらいしか違わない。5GB近くを使う人は、20GBに入った方が何も心配しなくていい。

●新プランの方が主流になるが……

―― 2つプランがあると分かりづらいようにも思えるが、なぜ2つに分けたのか。

田中氏 お客さんは2種類に分かれていて、月額の料金が上下している人と、20GBや30GBをガンガン使う人もいる。ピタットプランはあまり使わない人、20GBや30GBのプランはフラット見なしのような(毎月20GB~30GBの一定量を使う)人に分かれつつある。

―― 学割で導入した段階制のプランは効果があったのか。

田中氏 そうですね。その結果を踏まえて、機種の限定や学割なども外した。ポジティブに結果が出ている。

―― プランを増やしたことで、(ショップで)説明する時間が増えると思うが。

田中氏 ほとんどのユーザーにとって得になる新プランが第一優先になるが、毎月の端末料金を(安くしたい)とこだわる人は、旧プランがいいとは思う。説明時間の問題は課題になっているが、お客さんのデータも、受け付けでだいたい分かるので、どちらかのプランをオススメする形で説明時間を短くしたい。

―― 新プランと旧プランはどちらが主流になる?

田中氏 新プランの方が主流になるとは思うが、もう1つの端末(iPhone)の開始予定がないので……。

―― もう1つの端末は、情報変更(新プランへの変更)はできるが、このあたりが分かりにくい。

田中氏 いろいろあるんですよ、大人の都合が(苦笑)。情報変更はできるが、ややこしいから(対応機種から)外した。ほとんどの方は、端末の新規契約や機種変更のときにプランを変えられるので。

―― 夏モデルの発表時に新プランを発表できなかった理由は?

田中氏 システムの調整をしていたため。

―― 総務省の要望に応える形になったが、総務省に何か言いたいことは。

田中氏 別に要望に応える形じゃなくて、これでご満足ですよね、とは思う。

最終更新:7/10(月) 19:09
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