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<行政文書>1年未満廃棄次々 外交や防衛、管理に抜け穴

7/10(月) 23:21配信

毎日新聞

 情報公開の是非が国の審査会で争われた外交や防衛など重要施策に関する行政文書の中に、保存期間が1年未満で廃棄したとされるものが含まれていることが、審査会の答申集から明らかになった。「1年未満」の文書は簡単な手続きで廃棄でき、文書管理の抜け穴になっている実態が改めて浮かんだ。

 国の情報公開請求などへの不服を受け付け審査する国の情報公開・個人情報保護審査会の答申データベースによると、防衛省は周辺有事の自衛隊の対応をまとめた「統合防衛戦略」(2014年)の立案に際し、取得・作成した文書を1年未満として全て廃棄していた。統合防衛戦略は省の「秘」に指定されたが、「随時発生し、短期に目的を終えるもの」に該当するとされた。

 また、日本政府がイラク戦争を支持した判断(03年)について、国会議員の質問に対する回答を検討した際、外務省は内閣法制局との協議内容が口頭で行われ、記録がないと説明した上、法制局と最終調整のために交わしたメールを1年未満で廃棄したとしていた。

 省庁は、公文書管理法に基づく政府のガイドラインや各省庁の規則に沿って、行政文書の保存期間を原則1~30年と決めており、文書を廃棄する場合は内閣府のチェックを受ける。しかし、ガイドラインや規則が示す文書に当てはまらないとされた場合は、省庁が保存期間を1年未満として担当部署の判断で廃棄できる。学校法人「森友学園」の国有地売却を巡る交渉記録を近畿財務局が廃棄した問題では、財務省は保存期間が1年未満だったと国会で答弁した。

 元審査会委員の森田明弁護士は「過去の答申例を見ていくと、なぜ廃棄したのだろうと思う文書がある。審査会にかけられる文書はごくわずかで、保存期間を1年未満とした判断に疑問のある文書は、実際には相当な数があるのではないか」と話す。【青島顕、川名壮志】

 ◇審査会のデータベースにある保存期間1年未満で廃棄されたとみられる行政文書の例

・陸海空3自衛隊の防衛力を一元的に整備する「統合防衛戦略」の立案に際して作成した行政文書(防衛省)

・イラク戦争を支持した当時の政府判断について、国会議員の質問主意書に対する答弁案作成過程で交わされた内閣法制局と外務省の職員との電子メールでの意見交換(外務省)

・東京電力福島第1原発事故による避難区域について、再編を議論する非公式の閣僚会合の議事録(復興庁)

最終更新:7/10(月) 23:35
毎日新聞