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「人手不足」による倒産、17年上半期は大幅増の49件

7/10(月) 21:25配信

ITmedia ビジネスオンライン

 帝国データバンクは7月10日、「人手不足倒産の動向調査」を発表した。調査によると、2017年上半期(1月~6月)に従業員の離職や採用難など人手不足が原因で倒産した企業は、前年同期比44.1%増の49件だった。集計結果が40件を超えるのは、13年の調査開始以来初めて。

【業種別の倒産件数】

 また、人手不足によって倒産した企業の負債総額は、前年同期比約5倍となる218億9900万円と大幅に増加していた。

 負債規模別でみると「1~5億円未満」が最多で、23件発生。「1億円未満」(19件)、「10億円以上」(5件)、「1~10億円未満」(2件)と続いた。

 業種別では「サービス業」が最多の15件。「建設業」(13件)、「小売業」「運輸・通信業」(ともに7件)なども多かった。

 また、調査を実施した4年半のデータを累計すると、人手不足による倒産は全体で290件発生していた。負債規模別の内訳は、「1億円未満」が137件(47.2%)で最多。次いで「1~5億円未満」(117件、40.3%)が多く、小規模企業で人手不足による倒産が起きやすいことが浮き彫りになった。

 業種別では、4年半累計で「建設業」(105件、36.2%)がトップ。「サービス業」(92件、31.7%)も多く、この2業種で全体の7割弱を占めた。

 業種を細かくみると、この4年半で最も人手不足による倒産が多かったのは、サービス業に含まれる「老人福祉事業」。17年上半期の倒産は1件にとどまったものの、4年半の合計では19件発生していた。低賃金や職場環境の悪化を背景とした、介護スタッフの定着率低下により、業績を改善できずに倒産に至るケースが目立つという。

 帝国データバンクは「このまま若年層を中心に人口の減少が進めば、企業の人手不足はさらに深刻化する恐れがある。今後、人手不足を理由に計画通りの売上高を確保できない企業や、人件費上昇分を転嫁できずに収益が圧迫される企業が増えることで、さらなる人手不足倒産の増加が懸念される」と警鐘を鳴らしている。