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<新テスト英語>成績評価、客観性に疑問 民間試験

7/10(月) 23:56配信

毎日新聞

 2020年度から大学入試センター試験に代わって始まる「大学入学共通テスト」の英語。「認定試験」として活用する民間試験は今年度中に決まるが、受験機会の均等に加え、成績評価の客観性など課題は多い。4年間は現行のマークシート式も併せて実施され、受験生の選択肢は増えたものの制度設計はこれから。大学や高校からは「詳細を早く決めてほしい」との声が上がっている。【水戸健一、金秀蓮、伊澤拓也】

 文部科学省が実施方針で例示している民間試験は8種類。用途は海外留学の条件、ビジネス、大学入試などさまざまだ。「話す」技能の測り方も、面接とコンピューターに吹き込むタイプに分かれ、他の3技能(読む・聞く・書く)も含め1日で終わる試験と、別日程のものが混在する。

 問われる英語力の中身も、実施方法も異なる試験の成績を評価する基準として文科省が示したのが、国際的指標の「CEFR」(セファール)だ。語学力を初心者の「A1」からネーティブに近い「C2」までの6段階で評価し、留学や海外勤務の目安などとして利用されている。ただし、各試験の成績がどの段階に相当するかは各実施団体が決めており、客観性に疑問が残る。

 さらに、日本の高校生のほとんどは下から2、3番目のA2とB1に収まるため、入試で差別化しにくいのが現状だ。大学側には1点刻みの素点も提供されるが、複数の試験の点数を公平に評価するのは極めて難しい。

 不正防止など試験運営上の課題もある。センター試験は大学教員らが監督するが、民間試験は実施団体が担う。カンニングや替え玉受験の対策はばらつきが出る恐れがある。

 大学側には、認定試験が決まるまで20年度に向けた入試の設計図を描けない悩みがある。

 センター試験を利用している東京都市大は来春から、九つの英語の民間試験の成績を独自の基準で入試の得点に換算する制度も導入する。しかし、認定試験の詳細が決まっていないため「新テストに切り替わった際の入試がイメージできない」(入試担当者)。大学入試の先行きが見通せないため、付属高校に入学させて内部進学させたいという中学生の保護者から相談もあるという。

 受験生を抱える高校も不安をにじませる。センター試験と認定試験の併存期間中、各大学が両試験をどのように活用するかが決まらなければ、受験指導の方針を立てられない。都立高の校長は「大学が活用方針、評価方法を決められるように早急に詳細を示すべきだ」と文科省に注文する。中国地方の高校の校長は「統一的な評価ができるのかが疑問のままの見切り発車には抵抗がある」と話した。

最終更新:7/10(月) 23:56
毎日新聞