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明日を担う子供たちに見て欲しい「選ばれし者であることの恍惚と不安」

7/10(月) 17:49配信

スポーツ報知

 3月に行われた第4回WBCにおける侍ジャパンの奮闘を描いた密着ドキュメンタリー映画「あの日、侍がいたグラウンド」が8月4日、DVDとブルーレイになって発売される。7月1日から1週間、全国10都市の映画館で劇場公開されたのだが、見られなかった野球ファンも多く、ソフト化が待ち望まれていた。野球を愛する多くの方々に見ていただきたい作品だ。

 監督を務めた三木慎太郎さんはDeNAの球団職員として、シーズンを通じてチームの内側を描いた映画「ダグアウトの向こう」を制作し、ベイ党から称賛を集めたことでも知られる。侍戦士には約1か月、100時間の映像を撮影したというが、三木さんのナインに「寄り添う」距離感が素晴らしいのだ。「いい画を撮りたい」というクリエイターとしての潜在的な欲求と、「プレイヤーズ・ファースト」の敬意が絶妙なバランスで両立されている。

 そしてギリギリの緊張感の中でも笑顔を忘れない、侍戦士の快活な姿に魅了される。中でもソフトバンク・松田宣浩の雄姿には思わず涙が流れてしまう。常に大声でナインを鼓舞し、チームに元気を吹き込む。

 私は常々、ホークスの強さは松田のような主力がゲームの最初から最後まで、最前線で大声を出している点にあると思っていたのだが、この作品を見て確信に変わった。そんな姿を見て、若手が何も感じないはずがない。闘う集団としてのあるべき姿勢を、マッチは背中で示しているのだろう。

 若年層の野球離れが叫ばれる現在、できれば明日を担う子供たちに見て欲しい。難敵を相手に正々堂々と挑んでいく誇り高きスポーツマンの姿に、元気をもらえることは必至だ。画面からあふれ出る「選ばれし者であることの恍惚と不安」を、心ゆくまで味わいたい。(記者コラム・加藤 弘士)

最終更新:7/10(月) 18:05
スポーツ報知