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「日本の知恵や技術で復興貢献」「クルド人動向を注視、日本と交流促進」イラク・アルビルの日本領事事務所 森安克美参事官に聞く

7/10(月) 8:39配信

産経新聞

 【アルビル(イラク北部)=佐藤貴生】「イスラム国」(IS)からイラク北部モスルを奪還する作戦を完了した後のイラクの課題は何か。日本は復興支援にどう関与しうるのか。モスルから約80キロ離れたクルド人自治区アルビルにある日本の領事事務所の森安克美・領事参事官(60)に聞いた。

 1月に着任した森安氏は「クルド人の動きには国際社会が注目している。その動向をフォローして日本との交流を促進したい」と抱負を語った。クルド人自治区には1日当たり推定50万~75万バレルの原油生産量がある油田地帯が存在する。「原油価格が安定すれば発展が期待できる。復興が本格化したとき、日本の知恵や技術を生かして貢献できればよいと思う」

 クルド人自治区では9月25日、独立を問う住民投票が行われる。独立支持が大半を占めるとの予測が多い中、イラクのほかイランやトルコなど、国内にクルド人を抱える周辺諸国は実施に反対している。森安氏は「イラク安定のためには統一や領土の一体性が不可欠で、このタイミングでの住民投票はISとの戦いにも悪影響を及ぼしかねない」と懸念を口にした。

 イラクでのISとの戦いでは、クルド自治政府の治安部隊も主要な勢力となった。それだけに、自治拡大や独立を求める機運が高まる可能性がある。イスラム教シーア派主体の中央政府と国内のスンニ派住民、それにクルド人勢力の3者が、対立せず手を組めるかが「ポストIS」の重要課題の一つだ。

 森安氏は「地域の安定には各勢力の協力が欠かせない」とした上で「軍に協力した武装勢力の手には武器が残る。勢力圏をめぐる争いが起きるかどうかが今後の焦点だ」と述べた。

最終更新:7/10(月) 8:39
産経新聞