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【現地ルポ】武漢・合肥・泉州~中国300mm工場の建設現場

7/10(月) 17:20配信

投信1

投信1編集部による本記事の注目点

 ・ 中国の300mm工場の投資計画ラッシュに対して、半年前までは「構想の域を抜けず計画段階に過ぎない」という懐疑的な見方が少なくありませんでした。
 ・ しかし、装置・材料メーカーは2017年後半~18年前半に装置の搬入を予定し、どのプロジェクトもここ1年以内に量産に向けた試作を始める模様です。
 ・ 数年後には、中国のデータセンターに国産メモリーを積んだサーバー群がひしめき合う時代が来るでしょう。
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以前、『中国の半導体業界の胎動を実感!  セミコン・チャイナ2017現地取材レポート』では、中国の巨大メモリー工場プロジェクトは大きな看板を掲げているが、具体的な計画の詳細をいつまでたっても示せない状況にあり、この様子を「パンこね状態」(いつ何を作るかが定かでないので、いつまでもこね続けているだけの状態)と表現した。しかし、あれからたった2カ月の間に、各プロジェクトの工場立ち上げ計画が急展開している。装置・材料メーカーは2017年後半~18年前半に装置の搬入を予定し、どのプロジェクトもここ1年以内に量産に向けた試作を始める。「ポテンシャル(潜在的な)投資案件から、確実に工場が立ち上がるカウントダウンに入った」(装置メーカー中国営業担当)。

武漢YMTC(長江ストレージ、長江在儲科技)

YMTCは、3D-NANDなどのメモリーを国産化するために国家IC産業ファンドや清華大学系の紫光グループ、湖北省および武漢市政府が設立したメモリー専業メーカーだ。子会社化した300mmファンドリーのXMC(新芯集成電路製造)が先行開発している3D-NANDの設計と製造プロセスを確立後、中国政府の資金バックアップにより30年までに月産能力100万枚の工場を立ち上げる巨大プロジェクトだ。

武漢市のYMTCの工事現場は5月末、工場用地の全域が完全には同じ水平レベルにならされておらず、盛り土作業をしている区域と、整地済みの区域の杭打ち作業を同時並行で行っていた。6月には杭打ち工事の作業スピードが加速し、6月末には正面ゲートに向かって右手に位置するオフィス棟とみられる建物の躯体工事が始まった。工事現場周辺の道路整備がまだままならぬ状況のなか、YMTCの工場建屋の建設工事は突貫作業で休みなしに進捗している。あまりの工事スピードの速さに、1カ月前とは風景が変わっている。

YMTCは装置メーカーに、18年4月の装置搬入スケジュールを示している。フェーズ1では月産能力5万枚の生産ラインを立ち上げる。サムスン西安の技術をコピーして試作品を完成した32層の技術ではなく、量産ターゲットは64層に設定している。しかし、実際には(1)装置搬入から量産に向けたミニラインでの試作、(2)月産能力3万~5万枚規模で量産体制を立ち上げ、(3)量産ラインでの歩留まり改善と3つのステップが必要で、商業量産には1年くらいの時間を費やすことになると予測される。

とはいえ、18年には中国初の国産3D-NANDメーカーが誕生することになる。17年は東芝問題がNAND業界の争点になるだろうが、18年は中国産メモリー時代の幕開けが業界トピックスになるだろう。

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最終更新:7/10(月) 17:20
投信1