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女王蜂【A】“何者にもなれる者”が架空のコロニーから飛び立つとき

7/10(月) 18:00配信

Billboard Japan

 夏、規律の取れた集団生活を送ることで知られる蜂のコロニーは少しずつ拡大していき、その中心にいる女王蜂も繁殖のピークを迎える。働き蜂をあごで使いながら悠々自適に生きているようにも思える女王蜂だが、外に出られるのは交尾のときだけ。守られているのではなく、いわば種を残すという役割のためだけに幽閉されているのである。

女王蜂【A】写真(全8枚)

 2009年に結成された女王蜂もまた、目に見えない架空のコロニーから抜け出せずにいたのかもしれない。世間離れした煌びやかなビジュアル、奇怪で過激なサウンドとリリックで「サブカル」「メンヘラ」と揶揄され、それ故に狂信的なファンがついたのも確かではあるが、外の広い世界へ向かうというよりは、内の深い世界へ沈み込む音楽を鳴らし続けてきた。それが今年、4月5日にダンサンブル且つキャッチーな最新アルバム『Q』をリリース。翌日から全国ツアー【A】を始め、7月2日には東京・Zepp DiverCity(TOKYO)でファイナル公演を開催。今までと変わらない暗黒面をちらつかせながらも、より開かれた精神性で「QUESTION」に対する「ANSWER」を提示してみせた。

QUESTION by 何者でもない者

 この日のチケットはSOLD OUT。開演時間を少し過ぎたところで会場に流れていたレディー・ガガ「JUDAS」のヴォリュームが一気に上がり、ステージ上のスクリーンに浮かんでいた「Q」の文字が砂のように崩れ落ちる。そしてこのタイトルで繋がりを持った『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』より、ティンパニのリズムが特徴の挿入曲「Serenity Amongst the Turmoil =3EM04=」が鳴り響き、正に「使徒、襲来」的な雰囲気でメンバーのやしちゃん(b)、ルリちゃん(dr)、ひばりくん(g)、サポートメンバーのみーちゃん(key)が登場。マイクスタンドの横にあるお立ち台の上で一人ずつお辞儀をし、それぞれの配置についたところで、ルリちゃんの力強いカウントから「DANCE DANCE DANCE」がスタートした。

 イントロ時点ではまだアヴちゃんの姿はなし。歌声だけが聞こえてくる状態だったが、本格的なスタートを切る前にハンドマイクで歌いながら颯爽と姿を現した。その後はギター・カッティングが冴える「金星」から、裏打ちと言葉のリズムが軽快な「しゅらしゅしゅしゅ」と、最新アルバム収録曲を立て続けに演奏。ステージは鮮血を撒き散らしたような真っ赤に染まり、ここでアヴちゃんが「どうもこんばんは女王蜂です」と早口のデスヴォイスで挨拶しながら天を仰げば、フロアを埋め尽くすカラフルなジュリ扇もより激しくはためいた。

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最終更新:7/10(月) 18:00
Billboard Japan