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浜松町駅にある小便小僧の謎 消防服からあのキャラまで、毎月お着替え30年以上

7/10(月) 6:20配信

乗りものニュース

毎月欠かさず31年間 「着せ替え」目当てのファンも

 山手線と京浜東北線、東京モノレールが接続するJR浜松町駅(東京都港区)。その3・4番線ホーム(山手線外回り・京浜東北線南行き)の田町寄りに、小便小僧のブロンズ像が設置されています。

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 この小便小僧には衣装が着せられており、しかも毎月替わっています。衣装づくりと着せ替えを行っているのは、港区社会福祉協議会のボランティアセンターに登録している手芸グループ「あじさい」です。グループ代表の後藤さんに話を聞きました。

――小便小僧の着せ替えはいつから、誰が行っているのでしょうか?

 1986(昭和61)年の11月から、当グループが毎月欠かさずに着せ替えを行っており、その日時も毎月26日の午後1時と決まっています。この着せ替えを見に来られる方もいらっしゃるからです。ただし土日に当たる場合は、その前日もしくは翌日に変更します。

――衣装はどんなコンセプトでつくられているのでしょうか?

 もともとは地元の芝消防署から、火災予防運動のPRの一貫として小便小僧に着せるための衣装づくりを依頼されたことがきっかけで、現在も毎年3月と11月は消防士の衣装を着せています。また7月は、法務省が主導する「社会を明るくする運動」の一貫として、運動のシンボルであるヒマワリをあしらった衣装になります。それ以外にも、浜松町駅や港区など公的機関からの依頼で衣装をつくることがありますが、依頼のないときは季節に合わせたものや、オリンピックなどそのときに話題のテーマにもとづいてデザインを決めています。

地域をつなぐ小便小僧 その歴史は65年に及ぶ

――脱がせた衣装はどうしているのでしょうか?

 すべて保管しており、港区社会福祉協議会が開催するバザーなどで展示することもあります。屋外にあるため1か月も着せていると汚れますので、同じ衣装を2度着せることはありません。

――活動にはどのような声が寄せられていますか?

「微笑ましい」「いつも楽しみに見ています」といった声をいただいており、お話しした通り着せ替えに毎回お越しになる方もいらっしゃいますし、浜松町駅からも「駅とお客様、地域をつないでいる」と感謝の言葉もいただいています。これまでにJR東日本の社長賞などのほか、2016年には、交通系の賞で最高峰といわれる国土交通大臣賞も受賞しました。

※ ※ ※

 小便小僧の小便に見立てた水が落ちる池の前には石碑と花壇があり、石碑には「この像は昭和二十七年十月十四日鉄道開通八十周年を記念し、歯科小林 光院長より寄贈された」と由来が記されています。かつては個人の女性が着せ替えを行っており、その女性が亡くなってからしばらく裸のままでいたところ、前述のとおり芝消防署から港区のボランティアセンターを通じて「あじさい」に衣装づくりの依頼があり、現在に至るのだそうです。

 ちなみに、この池は「あじさい」が掃除をしていますが、花壇の花は、この石碑に書かれた小林院長のご子息が寄贈しているとのこと。この方も近隣に住んでいるといい、小便小僧と地域とのつながりの深さが感じられます。

 後藤さんは、「いろいろと評価をいただいているのも、30年の継続があってこそ。かんたんにはやめられません」と話します。

乗りものニュース編集部